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episode1 ページ2

あれから、数年後

『ヒ〜サ〜メ〜?』

「やぁ、A。今日はいい天気だね」

『ちがぁーーうっ!!!』

晴れ渡る空。確かにいい天気だ

私の不釣り合いな声のせいで台無しだけどね…………


『ねぇねぇ、ヒサメさん?貴方、何やってるのかな?』

ここはセレグ騎士団、基地

辺りでは騎士達が熱心に訓練を行っている

それをつまらはそうに座って見ているのが副団長ヒサメだった

『今日はイザナ殿下がいらっしゃる日だって言ったでしょー!?』

私の声にも小さく微笑むだけ

ヒサメは絶対に私のことをバカにしてる!

女のクセに団長とか身の程知らずって思ってるんだろうなぁ!

「A、焦りすぎ」

『だって、殿下よ殿下!私の_____』

「はいはい、分かってるよ。もうその話は飽きた」

くすくすと笑いながら彼は立ち上がる

………くっそ、いつか絶対私が上だって認めさせてやる

変な野望を胸に彼を見上げた

「……で、何をやればいいのかな。A?」

『まず、書類の整理!それから……』

と、その時


「団長、イザナ殿下のご到着です!!」


『うそぉぉおお!?』

私は大声で叫び

「……あらら」

ヒサメは面白そうに唇に弧を描いた



「……貴女が、新しい団長か」

『はい、Aと申します』

今、イザナ殿下が目の前にいらっしゃる

そう思っただけで息も上手く出来ない

そして視線を感じる

見定めるような、視線を

「ふむ………」


女、か


小さく呟かれた言葉は

私の胸に深く刺さった

(何よ!?女じやダメなわけ!?)

私は女を差別する人は嫌いだった

女だから危険に晒したくない?

そんなのただの言いがかりでしょ!!

女は役に立たない?

やってもないのに決めつけるな!

悔しくて、悔しくて仕方なかった

……まぁ、認めてくれた人は多少いたけど

けど、やっぱり女だからと馬鹿にする人は多くて

見返してやると頑張って頑張って

ようやく手に入れた地位

例えこの国の王子でも、憧れの人でも馬鹿にするのなら……

「……面を上げなさい」

しかし、イザナ殿下の声は驚く程優しかった

私はそれに少し安心して顔を上げる

だけど、けど

やはり殿下はそんな優しい人ではなかったみたいで


「貴女にその地位は不似合いだな」


そう、いとも簡単に

私の努力を、その上での成果を

憧れの人はたった一言で踏みにじった

……何よそれ


『……お言葉ですが、殿下』


女の力、舐めていらっしゃいませんか?

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ラッキーアイテム

王子様

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキー名(迷)言

「赤ってのは運命の色のことを言うんだろ」


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設定タグ:赤髪の白雪姫 , ゼンイザナ , 恋愛   
作品ジャンル:ファンタジー
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にゅーと(プロフ) - お話の続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2016年6月15日 11時) (レス) id: 9dbaab1800 (このIDを非表示/違反報告)
しーたん(プロフ) - フェリーナさん» 了解です、こことは別の小説にまとめようと思うのでしばしお待ち下さいませ。 (2016年2月12日 23時) (レス) id: ab70309fac (このIDを非表示/違反報告)
フェリーナ(プロフ) - 良かったですよ!ありがとーさっそくなんだけど夢主が風邪ひくやつと王様ゲームお願いします! (2016年2月11日 0時) (レス) id: b0c5804638 (このIDを非表示/違反報告)
しーたん(プロフ) - フェリーナさん» リクエスト、ありがとうございます!!おぉ、王道ですね!!私そういう感じのシチュ大好物なんですよ(笑)書いてみようと思います、しかし期待はあまりなさらぬよう……;; (2016年2月10日 14時) (レス) id: ab70309fac (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 読んで下さってるなんてとても嬉しいです!ありがとうございます!!これからもお互い頑張りましょう! (2016年2月9日 23時) (レス) id: a9e7c2b627 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しーたん | 作成日時:2016年1月28日 17時

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