【ツイステ】運命の人は鏡越しに［アズール･アーシェングロット］

いざ、キノコ晩酌！ ページ15

オーブンがチン、と音を立てる。

焼けたえのきを皿に移して、こちらにも少量の醤油を垂らす。

｢とろみがついてきましたよー。このまま止めちゃって良いんですか？｣

｢あ、待って待って。お酢入れるから！ジェイド君は、出来たやつ、テーブルに持ってって｣

｢談話室でいいですか？｣

｢良いよぉ｣

｢Aさん！｣

｢はいはい｣

忙しなく動きつつ、アズールのかき混ぜる鍋に、酢を適当に入れる。
少しかき混ぜ、一口味見。

｢ん。美味い｣

｢一口ください｣

｢ほれ｣

｢……白いご飯に合いますね｣

｢でしょ？皿に移しといて。フロイド君になんか作るから｣

｢先に始めてますよ｣

｢おけ｣

｢テトラちゃん、オレがキノコ嫌いなの忘れてんのかと思った｣

｢忘れてはないよ。何が食べたい？｣

｢んー……面白いやつがいい｣

｢うーん……難しいなぁ……豚しゃぶとかで良い？｣

｢えー……良いけどさぁ。いっぱい作ってね？｣

｢任せろ｣

大きなボウル皿の3分の1にもやしを敷き詰め、豚バラ肉をもやしの上に重ねる。
その上に更にもやし、肉と重ね、ラップをかけてレンジへGO。

｢ゴマだれとかある？｣

｢何それ？｣

｢無いならいいや。ポン酢ってある？｣

｢ポン酢ならあるよぉ｣

｢ここの世界の調味料感覚わかんねーな……ま、それかけて食べて｣

｢はぁい｣

｢まぁ、他に好きなのかけたかったら、かけてもいいよ｣

｢マジ？ありがとー！｣

｢家庭料理な、コレ｣

グラスを取りだし、隠してボトルキープしているピーチツリーを取り出す。
好き勝手入れ、オレンジジュースで割った。
マドラーを差し、カランと音を立てて混ぜていれば、レンジが囀る。

｢よし！レッツラゴー！｣

グラスと豚しゃぶボウルを持って行く。
談話室では、アズールとジェイドが先に座って食べ始めていた。

｢いつの間に白米炊いたの？｣

｢トップシークレットです♡｣

｢ジェイド君もお茶目ねぇ｣

｢なめ茸が美味しいので、白米が進みますね｣

｢あ！エリンギが消えかかってる！｣

｢そちらも美味しかったので、つい｣

｢僕もつまんだので、同罪です。すみません……｣

｢良いよ良いよ。頂きます｣

｢ジェイドぉ〜、コレ、楽なのにめちゃくちゃ美味いよ！｣

｢おや、良かったですね。フロイド｣

｢料理の才能があるとは思いませんでした｣

｢私、大抵の事はできるよ？やらないだけで｣

｢嗚呼、今流行りのYDKというやつですか｣

｢そーそー。……ん、やっぱ美味しいなぁ｣

仕事のある日→←晩酌の準備

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す