【ツイステ】運命の人は鏡越しに『四枚目』［アズール･アーシェングロット］

あけましておめでとう ページ17

「あけおめことよろ」

「おや、新年ですか？」

「私の世界ではね」

「今年もよろしくお願い致します」

「ことよろぉ〜」

「ふむ……しかし、ニューイヤーの文化は陸と海で違うでしょうし……」

「お餅。雑煮が食べたい」

「モチ？ゾウニ？」

「あ、こっちにそう言う文化無いのか。仕方ないなぁ……」

「何処に行くんですか？身体が不自由なんですから、勝手に動かないでください」

「んぇ？んー……じゃあ、母さんが作るまで待っとこ……」

「僕までご馳走になる前提で話す事、やめませんか？」

「え？気になるんでしょ？」

「えぇ、まぁ……」

「なら、レシピ聞いてくる？」

「……それでお願いします」

「はーい」

「……それにしても、平和ですね」

「ねー。もっと騒がしくなると思ってたけど……」

「テトラちゃん！！ハッピーニューイヤー！！」

「ハッピーニューイヤー。遊びに来ましたよ」

「何しに来たんだ、お前達。少しは遠慮というものを知りなさい」

「えー。だってさぁ、テトラちゃんの事はオレ達も好きなんだよ？アズールだけってずるくね？」

「少しは僕も、恋い慕う雌と共に居たいのですよ」

「なら、明日にしなさい。年明け早々突撃して来るな」

「えー、それ違うんじゃね？」

「フロイドの言う通りですよ。僕達にだって共に過ごす権利はあるはずです」

「てか、テトラちゃんめっちゃ静かじゃん」

「おや。何を書いてらっしゃるんですか？」

「ん？文学仲間とやってる、「三題小説」の短編書いてる。今日の夜中の12時〆だから、早めに仕上げなきゃ」

「大変ですね」

「ん？もう終わるから、そんなに大変じゃないよ」

「Aさんの執筆スピードには、目を見張るものがありますね」

「そんなにすげーの？」

「迷いがないんです。メモで残している訳でもないのに……」

「文書は浮かぶからね。それを書いてるだけだし」

「制限などはあるんですか？」

「3000から5000文字で仕上げてる」

「ちょっとした短編ですね」

「回を重ねる毎に増えてるんだよなぁ……」

「出来たら是非、読ませて頂いても？」

「そこまで良いものじゃないよ。期待せんでな、ジェイ君。……よし、完成。脱稿」

「三時間と少しでここまで仕上げるとは……」

「そんな凄いかな……？」

「速筆ではありますね」

「お疲れ様です」

「テトラちゃんらしい年越しだね〜」

「だね。二人とも、あけおめことよろ」

「あけおめ〜」

「今年もよろしくお願い申し上げます」

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