『ツイステ』私がレンタル彼女になるってマジで言ってます皆さん！？

注文のエスコート『フロイド編』 ページ7

さて、あれから。

近くのカフェに寄り、手を引かれ、席に通され、メニューに目を通す。
目の前のフロイド先輩は、ニコニコとしながら頬杖をつき、私を観察している。

そんな状況に居た堪れない私は、ついに我慢出来ずに口を開く。



「ふ、フロイド君……」

「なぁに、メダカちゃん？」

「その……何食べるか決めました？」

「んー……メダカちゃんと同じの食べる気分だから、オレはいーの」

「……りょ、料金とか……」

「オレが出すけど？『レンタル彼女』だっけ？って、そういうモンなんでしょ？アズールが言ってた」



『つーか、仕事でするデートで割り勘とかさぁ、フツーに有り得なくね？』なんて発言が出てくる。

正直、フロイド先輩から聞くとは思わなかった。

それを聞いてから、丁度良い塩梅の金額のパスタに決め、フロイド先輩に伝える。
人の金だからって遠慮せずに頼みまくる程、私は肝が据わってる人間じゃない。



「ふーん……他に食いたいのある？」

「私は大丈夫です」

「遠慮とかいらねーんだけど」

「ほ、本当に大丈夫ですから！」

「そぉ？」



軽く確認を取ったフロイド先輩に向けて、コクコクと頷いて見せる。
先輩はそれで納得してくれたのか、そのまま注文を通してくれた。

フロイド先輩、こう見てると結構美形だし、エスコートもかなり上手い。
学外の女性にモテそうなのに、なんで名乗り出たりしたんだろ……

店員さんが引っ込んだ後、フロイド先輩は私に向き直り、口角を上げる。



「あはっ、メダカちゃん、オレの事見すぎじゃね？」

「え、そんな見てました？」

「うん。すっげー見てたよ？視線だけで絞められそーな感じ〜」



彼の指摘に、少々戸惑う。

そんなに見ていたつもりは無いのだが、本人が言うのだからそうなのだろうか。
そんなにジロジロ見られたら、良い気はしないよね。

ここは素直に頭を下げておこう。



「すみません。お嫌でしたか？」

「んーん。珍しーんだろーなって、わかってっから。へーき」

「まぁ……はい。結構、怖いイメージあったんで」

「あはっ、メダカちゃん言うじゃん。めっちゃ素直〜」



『ドリンク、紅茶でよかった？』なんて聞こえて、さり気なくドリンクまで頼んでくれた事に驚く。

こう、一緒に出掛けていると……怖い先輩というより、明るくて気さくな先輩に思えてくる。



「フロイド君って、実は優しいんですね」

「んー？何で？」

「……いえ。何となく」

オレは一緒に楽しくなりたかったのに『フロイド編』→←先輩呼びは気分じゃねーの『フロイド編』

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