初回の予約『フロイド』 ページ5
話はトントン拍子で進み、三日後にマジカメのチャットに連絡が来た。
『初回の予約が入りました。話があるのでVIPルームに来てください。ストリート系の動きやすい私服でお願いします』
正直、久々のオフだし、面倒だし、なんならゲームしたかったので行きたくなかった。
だが、行かなかったら自らの生死に関わる。
ため息と共に指定のスタイルの私服に着替える。
動きやすい私服なんて指定、絶対に体育会系じゃん。
憂鬱な感情を引っ提げながら、ポニーテールに軽く束ね、後れ毛の調節。
軽くナチュラルに化粧をする。
小さめのリュックに財布を詰めて片方の肩に引っかける。
スニーカーを履いて、つま先からトントンと叩き込んで、きちんと履いてやる。
重たい足取りでVIPルームに向かった。
「寮長、来ましたけど〜？」
「おはようございます。ダルそうですね」
「だって、オフですよ？」
「その分の給料は出しますよ」
淡々と告げるアズール先輩をジットリと睨みつつ、辺りを見回す。
どうやら、まだ客は来てないらしい。
今は、私とアズール先輩だけがこの部屋に佇んでいる。
「寮長、お客さんって誰なんですか？」
「今日は宣伝やAさんの『レンタル彼女』としての実習を兼ねて、フロイドです」
「え！？あの気まぐれなフロイド先輩！？よく了承取れましたね」
目を見開いて驚く私に、アズール先輩は一つ軽く笑ってから補足説明を加えた。
「フロイドが自分から名乗り上げたんですよ。珍しく気が乗った様で」
「へぇ……」
感嘆の息と共に間抜けな声が漏れた。
瞬間。
ドサッ、と頭から重みのある影が乗ってきた。
慌てて掻き分け光を見たと同時に、フロイド先輩の笑顔が眼前にあった。
「メダカちゃん、お待たせ〜！迎えに来たよぉ？」
「フロイド先輩！えっと……今日はよろしくお願いします？」
「よろしくね〜。アズール、もう行って良い？」
アズール先輩に向けて顔を上げ、許可を取るフロイド先輩。
そうして話している間も、フロイド先輩の腕は私の肩に回っている。
とどのつまり、バックハグをされた状態のままだった。
当のアズール先輩は、フロイド先輩と顔を合わせたのは一瞬で、すぐ様書類に目を落とした。
「えぇ。今日の評価報告は忘れずにしてくださいね」
「わかってるって。じゃあメダカちゃん、行こっか」
「え？あ、はい！」
バックハグから解放され、手を引かれるまま二人でVIPルームを後にした。
先輩呼びは気分じゃねーの『フロイド編』→←脅しで了承、雇用契約書
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とある誰かの作品倉庫(プロフ) - みーさん» わぁ、ありがとうございます！誤用しがちだったので助かります！ありがとうございます！ (2021年6月3日 20時) (
レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - すみまへんめちゃくちゃ誤字してました！謙遜する場合は「力不足」となります！本当すみません(泣) (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 初コメ失礼します！ページ25で夢主ちゃんが言っていた「役不足」は「役目が実力不相応に軽いこと」「与えられた役目に不満を持つ」となりますので、謙遜するのでしたら「役不足」が適任かと思います！楽しく読ませてもらっているのに初コメがこんな内容ですみません！ (2021年6月3日 15時) (レス) id: 9c701de065 (このIDを非表示/違反報告)
とある誰かの作品倉庫(プロフ) - 43さん» 正解です！主人公の家柄はクトゥルフ神話系統の封印をしている設定になってます！気付いて下さり、またコメント頂きありがとうございます！ (2021年6月2日 11時) (レス) id: ba04661380 (このIDを非表示/違反報告)
43 - お話の構造とか滅茶苦茶好きです…！もしかしてクトゥルフ要素入ってますか…？ (2021年6月2日 10時) (レス) id: 1d67640196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とある誰かの作品倉庫 | 作成日時：2021年5月27日 4時
