地獄から舞い戻った人 ページ47
警察や他の登場人物達を押しのけ階段を駆け下りていくのは不動産会社を経営する男
酷く慌てた様子で扉を押し開けてその内部を見て愕然と立ち止まった。男が想像していたモノ達が全てなくなっていたからだ
声を荒げながら空っぽの部屋を探し続ける男に困惑していた一同の後ろからふと聞こえてくるのは嗤い声。面白可笑しくて仕方がないと言わんばかりに笑い転げているのはミステリー作家の女性
涙まで浮かべながら男を指差し嗤う女性は歪に笑いながら全てを語ったのだ。この連続殺人の全てを
≪あたしが誰だかまだ分からないかしら？≫
≪アンタ達にあの人と一緒に冷たい地下室に生き埋めにされた女だよ≫
驚愕の事実に腰を抜かし、震える指でまるで化け物を見たかのような様子で「死んだバズだッ」と喚く男に一歩、また一歩と歩み寄り女は見下ろしながら
≪アンタ達を地獄に落とす為に舞い戻って来たのさ≫
そう言った。そこから語られた当時行われた事件と惨劇を語り尽くした女は徐にポケットから取り出したボタンをなんの躊躇もなく押した。その瞬間城が大きく揺れ地下室の天井から崩れた土がパラパラと降りそそいだ。どうやら館に仕掛けた爆弾を全て爆発させてようで此処にいては危険だと全員が足を縺れさせながら外へと走る中女は、腰が抜けて動けない男の傍でただ笑っていた
≪あの人が待ってるの≫
そう綺麗に笑ってもう一つのボタンを押した瞬間地下室の天井が勢いよく崩れ男と女の姿は消えた
目の前で消えた命に手を伸ばす主人公の手を他の登場人物が強引に引き外に飛び出た瞬間に城は業火と共にその形を失くした。そうしてこの連続殺人は幕を下ろしたのであった
後日、手を引いてくれた推理小説オタクから心配する手紙が届いたが彼の心は最後に魅せられた彼女の狂気と慈愛の混ざった笑みに囚われてしまっていた。というオチ
既にサイトから全てを完読していた彼等は感想会を始めている
「所々に細かい描写が書かれているのを見逃していると解けない問題だったりするのでめちゃくちゃ見返しました」
「時計の紋様の画像見て一瞬で3章の時計だ！ってなる奴いたらヤバいよ」
「第１の殺人のダムウエーターのやつとか言われてみれば...とか思ったし」
「給食の運ぶ時に見た事あったなぁとか思いましたもん」
そんな事を話す彼等を見ながら今回も楽しんでくれて良かった、とホッとしながら珈琲を飲むA
止まらない感想会だったが時間の事もあり途中で切り上げバス停まで送って貰った
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←遺留品がのこした鍵
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 340人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊予葉(プロフ) - 初めまして。 主様の書く文章が大好きで、主様に語彙力に毎話脱帽しています！ お忙しいとは思いますが、続き楽しみにしています…！ (2023年2月5日 14時) (
レス) @page47 id: 9e66b54d9b (このIDを非表示/違反報告)
ファン - こんにちは！更新とても楽しみにしています！ (2022年6月18日 17時) (レス) @page43 id: 50518e3137 (このIDを非表示/違反報告)
クオリア(プロフ) - まゆきさん» 作品の内容までは考えなかったんですけど日常の中にある非日常を知覚した時が一番怖いと思ってるんできっとふとした時に思い出してしまうようなお話だったんだと思いますｗ読み聞かせは表現力が大事なのできっと黒幕さん頑張りました (2022年2月17日 22時) (レス) id: dafdcd86e4 (このIDを非表示/違反報告)
まゆき(プロフ) - izwさんにもう二度と書かせないと言わせるほどの作品…読んでみたくなるなぁ… (2022年2月17日 7時) (レス) @page35 id: aca3a82b8e (このIDを非表示/違反報告)
クオリア(プロフ) - クリさん» コメントありがとうございます！最後まで頑張ります！ (2022年2月12日 19時) (レス) id: dafdcd86e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クオリア | 作成日時：2022年1月30日 23時
