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you side

前に一度訓練室には来たことがあるので、新しい発見はなかった。

『覚えろって言われても、一体誰から教われば…?』

それらしき人は居ないかと、キョロキョロ辺りを見回してみるが、皆自分の訓練に必死で僕の存在に気づいていないようだった。

困ったな…
変に動いて警戒されたくもないけど、ずっとここにも居たくはない。

うんうんと唸っていても解決には至らない。
勇気を出して誰かに話しかけてみよう。

そう思った時、

zm「…なにしてんの?」

ゾムさぁぁぁぁん!!

そういえばゾムさんはどっかの隊の隊長だと聞いたことがある。
まぁ訓練くらいするよね!!

『え、っと、トントンさんに、護身術を教われって言われて来たんですけど…』

そこまで話すと、いきなりゾムさんに腕を捕まれ、ずるずるとどこかへ連れていかれる。

『あ、の…?』

僕に見向きもせず、他の兵たちをすり抜けながらぐんぐんと進む。

しばらくそうしていると、兵達とは少し離れた場所でゾムさんが止まった。

zm「……ん」

なにやらガサガサと箱を漁り、差し出されたのはゴム製のナイフ。

『も、もしかして、教えてくれるのって…』

zm「俺やけど?なんか文句あるん?」

ゴム製のナイフなのに、ゾムさんが持つと、マジもんのナイフに見える…

『…いえ…』






そこから三時間ほど、付きっきりで教えてもらった。

ナイフの持ち方、振り方、姿勢などなど、基本的なものを教えてもらい、僕は強くなった気がする。

ゾムさんとも(多分)少しは仲良くなれた………筈。

zm「…だいたいこれで終了。質問は?」

ぶんぶんと首を横に降って、早くこの気まずい状況を抜け出そうとする。

そしてやっとのことで護身術講座が終わり、ナイフを片付けていた時のこと。

zm「お前が、シッマのことどうやってなつかせたんか知らんけど、俺は絶対認めへんから。」

そう言い捨てると、さっさと立ち去って行ってしまった。

が、この三時間でゾムさんのことはなんとなく分かった気がする。

わからないと言えば、根気強く教えてくれ、解決すると満足そうに少しではあるが微笑むのだ。
部下と戦っている表情を見ても、やはり全力で挑んでいることが伺えた。

ゾムさんは気づいていないようだが、あの人は典型的な負けず嫌いだ。
僕を認めないことも、変な意地を張っているのではないか、と僕は思う。

ま、これで違ってたら死ぬほど恥ずかしいんだけど。

ここに来てからの悩みを自己完結でき、満足した僕は鼻唄を歌いながらゾムさんに着いて行った。

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ブラウン(プロフ) - 雨天時さん» コメントありがとうございます!若干スランプで更新頻度遅いですが、頑張ります!! (2021年3月23日 21時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
雨天時 - え、待って神作じゃないっすか (2021年3月22日 22時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - らいらいさん» コメントありがとうございます!!私も更新がんばるんるんです。 (2021年3月9日 20時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - えっ…好き。続きが気になりまくるんるんです!更新楽しみにしてます!でも体調にはおきおつけて、 (2021年3月9日 19時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - まんぼーごりらさん» 嬉しいです!更新頑張るどー!! (2020年12月23日 15時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブラウン | 作者ホームページ:ht  
作成日時:2020年11月21日 9時

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