3 ページ4
you side
それから、何日かがたったある日のこと。
その日は本当に不運な日だった。
いつもと同じように森で過ごしていると、フェリアが「たまには日光にあたれ」とでも言うように俺を森の入り口まで引っ張った。
渋々フェリアについていき、大嫌いな日光浴をしていると、ふいに聞きたくもない声が聞こえた気がした。
「おい、見ろよあれ。」
「うわ。落ちこぼれじゃねぇか。」
最悪だ。フェリアのせいで街の人たちに会ってしまったじゃないか。
無意識にフェリアを睨んでいると、いきなり、物凄い形相でフェリアがこちらに走ってくる。
唐突な出来事だったので、思わず固まってしまう。
遠くから、街の人が笑っていた気がした。
『…ガ、ルル…』
聞こえたのは、フェリアの苦しそうな声。
見えたのは、さっきまで僕を嘲笑っていた男が、手に構えた火の玉。
臭ったのは、何かを燃やした後に臭う、焦げ臭いにおい。
『…っ！お前！！！』
自分でも信じられないくらい大きな声が出た。今まで散々罵られて来たが、この時が一番頭にきたと思う。
笑いながら走り去る男たち。きっと自分では追い付けないだろう、と追いかけることすらしない。
たった一人の友人を殺されたのに。
自分の無力さに涙が溢れる。
『…っふ、う…フェ、リア…ごめん、ごめん』
さっきまで雲ひとつない晴天だったのに、今は大雨。
雨が降っているのも気にかけず、俺は冷たくなったフェリアに謝り続けた。
それが何に対しての謝罪なのか、自分でもよくわからないまま。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブラウン(プロフ) - 雨天時さん» コメントありがとうございます！若干スランプで更新頻度遅いですが、頑張ります！！ (2021年3月23日 21時) (
レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
雨天時 - え、待って神作じゃないっすか (2021年3月22日 22時) (レス) id: 665f3a7ddc (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - らいらいさん» コメントありがとうございます！！私も更新がんばるんるんです。 (2021年3月9日 20時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
らいらい - えっ…好き。続きが気になりまくるんるんです！更新楽しみにしてます！でも体調にはおきおつけて、 (2021年3月9日 19時) (レス) id: f6115359b4 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - まんぼーごりらさん» 嬉しいです！更新頑張るどー！！ (2020年12月23日 15時) (レス) id: 64ba169345 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
