最終話 ページ36
you side
『は…?』
このまま俺が嫌われて終わるだろうと、勝手に思っていた俺は、思いがけない出来事に思わず眉をしかめる。まさかショッピがここで言うようなやつだとは思いもしなかった。
けれど、俺の計画を台無しにしようとしているであろうショッピにだんだんと腹が立ってくる。
『そんなわけ、』
syp「本当に、このままで良いと思ってるんすか。嘘をついたまま…本音を言わないままで。」
否定しようとした俺の言葉も遮って、食いぎみにショッピが問い詰める。
なんだか、全て見透かされている気がしてとても居心地が悪く感じた。
俺の黒い感情と、ショッピの言葉が、俺の中で入り交じる。
『…っ知らねぇよ!俺だって、こんなことしたくない!だって、お前らは、お前らだけは、俺に優しくしてくれて、居場所をくれたから…!でも、でもお前らが好きなのは俺じゃないだろ!?お前らが好きなのは、かわいくて、口も悪くなくて、おれなんかより、もっともっと綺麗な、Aだろ…?』
自分で言って、何を言っているのか分からなかった。けど、必死だったんだ。
ああ、俺の計画を台無しにしたのは、ショッピじゃない。おれ自身なんだ。
涙が溢れて止まらない。声が情けないくらいに震える。八つ当たりだって、分かってる。
もともと俺はスパイだったし、あいつらにとって俺はもういらない存在だろう。
どんな言葉が帰ってくるだろうか。きっと面倒くさいやつだって思われてる。もう、嫌われたかも。
もしそうなら、俺は当初の目的を達成できていることになるな。じゃあ、まあ、いいか。
もうやけになって、インカムの電源を切ろうとしたとき、震えるような、誰かの声が聞こえた。
俺は、おれは、どっちのAも好きや…!可愛くなくても、口が悪くても、俺はAと一緒に居たい…!
やから、はよ帰ってきてや
これかもしれない。俺が、ずっと求めて求めて止まなかったもの。
誰かから、求められたいって、一緒に居たいって、言われたかった。強がって強がって、外側は強くなっていくのに、中身はずっと弱いまま。心が痛くて、寂しかった。
この人たちといられたらどんなに幸せだろうって。叶わないことだってわかってた。
なのに、なんで。
イタズラならやめてよ、神様。もう、戻れなくなってしまう。
『…っう、は…うう…っ』
すっかり気が緩み、座り込んでしまったAのもとに、騒がしい彼らが慌てて駆けつけるまで、あと、ほんの数分。
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ブラウン(プロフ) - よなよなさん» え！正解です！細かいところまで見てくれてありがとうございます！ (6月15日 23時) (
レス) @page37 id: 27aa2b09e3 (このIDを非表示/違反報告)
よなよな - 本当に面白い。言葉が出てきません（は） もしや夢主くんのライアーという名前にはLiar（嘘つき）という意味があったり。？ (6月11日 15時) (レス) @page2 id: 975a7d9699 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - 金木犀さん» こちらこそ、最後までご覧頂きありがとうございました！ (2022年2月14日 6時) (レス) id: 632b6d2958 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - とても素敵な作品を完結させていただきありがとうございます！ (2022年2月14日 0時) (レス) id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
ブラウン(プロフ) - フィルライさん» ご報告ありがとうございます!訂正させて頂きました。更新頑張ります! (2021年12月5日 0時) (レス) id: 632b6d2958 (このIDを非表示/違反報告)
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