3話 ページ4
「まあ、それに、私どんな格好しててもバリ可愛だから♡」
タクヤはその言葉に同意し、他の3人は呆れた顔をする。いやね、そんな気無かったんだよ。さすがにこの歳でこんなこと言うとは思わなかったもん。でも、なんか、言わなきゃなんない気がしてさ？？
「Aのイトコが渋谷三中のアタマでマジ良かったよ」
「ん？」
「3年が出張ってきたらマサル君の名前出せば良いもんな！」
誰だよマサル。
「たんま、1回待って」
マサル……マサル……ああ、あのそばかすの。喧嘩上等ってイキってる。あ〜、はいはい。いたねえ、そんな奴。そいや、イトコだったな、忘れてたわ。
……あれ、マサルが出てきて渋谷って……あれ、まさか……ウソ……はい？？？
「え、ちょ、帰んない？」
「「「「は？」」」」
「なんて、冗談冗談」
えー、つーか、喧嘩とかいつぶり？腕なまってるどころじゃないんだけど？？あん？？
◆
「おっかしーなー2年がいねーぞ。さっきから声掛けても1年と3年ばっか！」
「どーなってんだ？」
公園について話す4人。公園……2年がいない……ああ、クッソ。ここじゃんか！喧嘩の場所！！そんで、私が流血するところッ！……はあ、痛いのは、嫌なんだけどな。
「もしかしてさ！オレらが来るって聞きつけてビビっちゃった？」
「まぁ、渋谷の不良なんてよ、所詮ギャル男崩れの小洒落たシティボーイだろ？」
……いや、んなもんじゃねえし。
「オイ！ウチの2年嗅ぎ回ってんのテメーらか？」
はあああああ、来ちゃったよー。脳内ではクソほど余裕なのに、指先が冷たくなってることに笑えてくるわ。
「2年はよぉ、修学旅行だ。とりあえず、一人ずつタコ殴りにしてやるから、並べ」
キヨマサの言葉を聞いた山岸は、固い笑みを浮かべて1歩踏み出した。
「ア、アンタら3年っスよね？。オレら、3年の番はってるマサル君に話通してますよ」
直後、男たちは声を出して笑った。
「オイ！マサルぅ！ジュース、全員分買ってこい！マサルぅ！」
赤石が言う。……はあああ。全部、思い出しちゃったよ。
「全員、下がって」
って、昔も同じこと言ったな……はあ。
「A、どういうことだ？」
「知らない。ただ、ひとつ分かることは、マサル君が私にウソついてたってことだよ」
で、私が一番最初に殴られるんだよね。服で隠れるところをさ。マサルはキヨマサのパシリで、私に見栄を張ってた。
頼みの綱を失った挙句にビビった私らは、半殺し状態にされる。
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作者名：くー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/
作成日時：2022年7月4日 20時
