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4話 ページ5

「ずみ"ばせんでしたっ!!!」
「すみませんでした」

土下座をするのはツートップのアッくんと私。凄いね、謝り慣れすぎてどんだけ痛くてもスラスラと謝罪できるよ。1種の特技じゃね?

「気合いもなんもねーダサ坊がよー、不良語ってんじゃねーぞコラ」

「お前ら今日からオレら東京卍會の兵隊な。しっかり働けよ」

立ち去っていくキヨマサたちの背中を、私は姿勢を崩して睨むように見る……今日、この喧嘩のせいで、私らの3年間はアイツらのパシリで最悪な日々になる。

それが嫌になって、私、こいつらのこと置いて逃げたんだっけ。だけど、上手くいかなくって、謝りまくる今ってことか。

まあでも、そう易々とやられてたまるかっての。どうせ1度失った命なんだ。痛みもリアルに感じるってことは、もしかしたらこれから起こることも変えれるかもしれない。

「悪かった」

「いいよ、Aが謝らなくて」

「つーか、謝るのはオレらだ。A、オレらのこと守ろうとしてくれただろ?」

「動けなかったもんな、オレ達男は」

ふっと笑う4人。謝ってるのは別に今日の事じゃないんだけどなあ……ま、いっか。

……そいや、なんで私、橘が親友だって思ったんだろ?って、あれ?橘って、どんな顔だっけ??





記憶を頼りに橘のマンションを目指し、インターフォンを押す。

「あれ?Aちゃん」

「ヒナ……」

あ、そっか。私、橘のことヒナって呼んでたわ。つか、懐かしー。

「Aちゃん!またケンカ!?」

ぼーっとしていると、突然ドアが開き、ヒナが顔を出した。それから説教じみたものを言うが、何も入ってこない。無意識に伸びる手。そして、ヒナの頬に触れる。

「……あった、かい」

目から涙が零れ落ちた。……ああ、私、ヒナが大切だったんだ。なんで、忘れてたんだろ。

「ごめん、ヒナ」

大事な時にいてあげられなくて。私、約束してたよね、ヒナのことは守るって。……守れてないじゃん。うっわ、なんで今思い出すかなあ!?!?

「ごめん、急に押しかけて。特に理由はないけど、顔みたくなってね。じゃ、また」

さすがに無理があるかな〜と背を向けると、案の定、ヒナに呼び止められた。

「うそ、なんかあった。いつものAちゃんじゃないもん!」

そして腕を引かれ、強制的にヒナの方をむくと、両頬をヒナの手で挟まれる。

「ちゃんと言って!Aちゃんの事はなんでも知りたいの!親友なんだよ!」

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作者名:くー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Qoo01411/  
作成日時:2022年7月4日 20時

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