雪が嫌いだった宇髄天元が雪を好きになった理由。【短編集】

【ストーカー】Mikado様 ﾘｸｴｽﾄ ページ47

【Aside】


最近、何か人の気配をよく感じるようになった。


例えば、買い物に出かけた時や 宇髄さんと別々で家に帰る時などだ。


現在は午後6時。この時期になれば、6時でも暗くなるのが早い。


宇髄さんは学校の仕事がまだ終わらないようなので先に帰ることにした。


冷蔵庫の食材をきらしていることを思い出してスーパーに寄る。



(まただ…。)



スーパーを出ていつもの道を歩いていれば後ろから足音が聞こえてくる。



歩くスピードを早めればその足音も比例するようにスピードを上げて着いてくる。



なるべく人通りの多い道を通る。

そして、不思議なことに家の近くの広場に着くとピタリと足音はなくなるのだ。



(怖いな…。宇髄さんにも話しておこう…。)




何かあってからでは遅いと判断し、宇髄さんにはちゃんと話すことにした。




・


宇髄｢人の気配？｣



『はい…。ここ何日かずっと誰かに後をつけられている気がするんです。』



宇髄｢ストーカーか。…心当たりは？｣



『いえ…。特にないです。』



心配だな。と向かいに座って深刻そうな顔をする宇髄さん。



宇髄｢前みたいに襲われでもしたら大変だ。俺もなるべくAの傍にいるようにする。

もし、一人でいる時はカギを必ず閉めること。｣




よっぽどナンパされた時のことを今だに思い出すのだろう。

宇髄さんは二度と私があんな目に合わないように気をつけてくれている。



『はい。わかりました…。』




宇髄｢ん。 心配すんな。俺が守ってやる。｣




不安な気持ちも宇髄さんがいてくれるおかげで少しずつ解消されていく。




・


・


それから2週間ほど経った頃、ずっと警戒していたからか、例の足音はなくなった。


諦めたのかは分からないが、一人で歩いているときも後ろを着いてくる足音は聞こえなくなっていた。



すっかり安心しきって、いつも通りの生活を送っていたのだ。



しかし、すっかり安心しきって忘れかけた頃に事件は起きる。



・


宇髄さん悪ぃ。会議が長引きそうだ。終わるまで待っとくか?

Aそうですか…。一緒に帰りたいですが夕飯も作らないといけないので先に帰ってますね。

宇髄さん一人で大丈夫か?

A途中まで炭治郎くん達と帰るのでご心配なく!

宇髄さん…わかった。何かあったらすぐに連絡しろよ?俺もなるべく早く帰るから。

A了解です!美味しいご飯作って待ってますね


最後にスタンプを送ってスマホを閉じる。

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