雪が嫌いだった宇髄天元が雪を好きになった理由。【現パロ】２

EPISODE 60* ページ18

【Aside】





｢こちらです。｣






事務の先生に案内されて入って来たのは、
腕に包帯を巻いた傘間とその母親。







ソファとソファの間にはテーブルがあり、
そのテーブルを挟んで向かい合って座る。






Aの隣には担任の悲鳴嶼先生がいる。







悲鳴嶼｢この度はうちの生徒が怪我をさせてしまい、申し訳ありませんでした。｣







悲鳴嶼が頭を下げる。






(なんで、悲鳴嶼さんが謝るの…？)






傘間母｢すみませんで済むことじゃないのよ！

うちの子はその子にカッターで切りつけられたの！｣






『……私はやっていません。』






下を向いたまま反論する。






傘間母｢人を切りつけたうえに嘘までつくのね！ なんて子なの！？｣






『私じゃないです。

莉奈さんが自分の腕をカッターで切りつけたんです。』





悲鳴嶼｢雪那。｣






傘間｢違うよママ！私がそんなことするわけないじゃない！雪那さんがやったの！｣






傘間母｢自分の腕を切りつける馬鹿な子がどこにいるのよ！

嘘をつくならもっとマシな嘘つきなさい！


それよりも、あなたの親は？
人様の娘を傷つけておいて謝りにも来ないの？」





(嘘なんてついてない。私は本当のことしか言ってない…。)






『…親はいません。ずっと独り身です。』






足立母｢…！｣






傘間の母親は一瞬黙りこんだ。







傘間母｢と、とりあえず！

その子にはそれなりの罰をちゃんと与えてください！

変な瞳の色して！気持ち悪い！この悪魔め！」






悲鳴嶼｢傘間さん、落ち着いてください。｣







パァン！







部屋に乾いた音が響く。頬には痛み。



平手打ちされた。





傘間母｢私は絶対に許しませんから！！｣






言うだけ言い残して、傘間親子は帰って行った。






(あの性格は母親譲りだったんだ。)








『……、悲鳴嶼先生。』






悲鳴嶼｢なんだ？｣






『私、これからどうなるんですか？』





悲鳴嶼｢……。｣







悲鳴嶼は言いにくそうな顔をしている。






『悲鳴嶼、先生…？』






悲鳴嶼｢…Aがやっていないという証拠がないのだ。

校長と話した結果…停学、だ。

もしかしたら停学からそのまま退学になる可能性もある…。｣






『……そうですか。わかりました。』





悲鳴嶼｢私はAがやったとは思ってない。庇ってやれず、すまない。…南無阿弥陀仏。｣






『いえ、ありがとうございました。


…失礼します。』

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