赤いアネモネ【呪術廻戦】完結

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【五条side】


呪骸を全く起こさずに映画を観れるようになったA。


習得が早いね。感心感心！


いきなりビンタさせろとかポップコーンを頭に乗せたり、変なこと言ったりするけどやる時はやるんだよね。



五条｢さ、そろそろしようか。｣



『……。』



散らばったポップコーンを拾っているAに声をかけるとあからさまに嫌そうな顔をされた。



五条｢仕方ないね、今日はメニュー三倍…、｣



『わーい！！今日も五条先生とワンツーマンなんて私嬉しいなぁ！！！』



＿＿＿＿＿


はい、今日も始まりました。
五条先生のイケてる反転術式講座〜！


五条｢はい、テンション上げて！！！｣



『いぇーい。』



五条｢ねぇA？なんでそんな嫌そうなの？先生悲しいっ！｣



泣くフリをする僕に『いや、だってさ…』と曖昧な返事をする。




『いくら反転術式の治療を完璧に身につけるっていっても、先生を……、』



五条｢んー？なんてー？｣



ちゃんと全部聞き取れていたが少しからかって聞いてないフリをした。



『せ、先生に痛い思いさせてまで習得するのは嫌…。』



珍しく少し下を俯いて、さっき捲ってあげた白衣の袖をちまちまと扱っている。



そんな事考えてたのね。らしくねぇー



そう、Aに与えているのは怪我した僕を治すというもの。

呪骸のぬいぐるみではどこまでの怪我が治せるかわからかいのでこうして人間で実践する。



『どうせなら自分で怪我して自分で治すのが良かった。』



そう言うのも、Aは他者 or 無機物しか治せないからだ。



Aがどれだけ怪我をしてもAの反転術式では治療することができない。



しかし、無機物と生きている人間を治療するのでは呪力の消費量が違いすぎる。

無機物を修復・復元させるのはそうでもないが、人間や生きた動物を治療するのにはかなりの呪力が必要となる。



最近はそれを考えすぎているのか僕との練習を嫌がるのだ。



らしくないねー、ほんとらしくない！
だって｢ビンタさせてください！｣なんて言ってくる子だよ！？



『先生今 余計なこと考えたでしょ。』



五条｢あ、バレた？｣



とにかく、



五条｢僕のことは気にしないこと。Aは僕の怪我を治すことだけ考えればいい。わかった？｣



『でも、もし私の術式で治せなかったら、』



五条｢そんときは硝子のとこ行ってくるから。｣


『………。』



ずっと一緒にいるからか、硝子の名前がでると少し緊張が解けた。

よっぽど硝子のこと尊敬してんのね。



『…わかりました。』

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