帰れなくなっちゃった………�� ページ8
彼は舌なめずりをし、徐々に私との距離を近づける。今にも唇が触れあってしまいそうだ。
「A…………………………」
「………………っっ！！！」
次の瞬間、彼は私の唇を塞ぐように口づけた。
「んっ…………んん！……」
否、口づけというには激しすぎる。
幻太郎の力はその細い腕からは想像付かないほど強かった。
上手い。
彼の唇の動きは私の抵抗しようとする力を鈍らせていく。
「…………………もう、抵抗しないんですか？」
彼は唇を話して言った。
私は力が抜けていて、もう彼のキスを受け入れていたようだ。
「……………………」
恥ずかしくて口が開けず、何も喋れない。
こんなつもりじゃなかったのに。
私は"気持ちいい"という感覚と、もっとしてほしいという欲だけが頭の中を巡っていた。
「ふふっ…僕の目を物欲しそうに見つめて…………我慢できなくなりそうだ……。」
幻太郎の頬は紅潮していた。それは恥じらいの紅ではなく、興奮の紅だ。
「覚悟して下さいね…………」
そう言って再び唇を重ねてきたが、先ほどまでと明らかに違う。
熱くて柔らかいものが私の唇を割って入り込んで来たのだ。
「っ！！！」
幻太郎は私が痙攣するように反応してもその動きを止めることはない。
それどころか、より激しく私の舌を絡め取っていく。
「Aがもっと可愛い反応をするところに、たくさん触れてあげるよ…………今夜は寝かさないからね……………………」
その吐息と共に夜が更けていった。
**次回に続きます**
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作者名：繭音(ﾏﾕﾈ) | 作成日時：2019年4月1日 0時
