みっつ ページ3
あれから数日が経った
彼とは特に進展もなく
むしろ逆
今はあまり会っていない
送ると言ってくれたのに勝手に怒って逃げて
合わせる顔がない
きっと彼は呆れているだろう
貴「…なにがしたいんだろう」
見慣れた天井を見上げて口にする
外に出る気力もなくて毎日グダグダ
例えるならあの銀髪みたいな感じ
貴「あー…今日バイトだっけ…」
色んなところを転々としていた私に職を与えてくれたのは間違いなく彼
知り合いの甘味処に掛け合ってくれて働かせてもらってる
「俺に感謝してほしいぐらいだけどね」
そのことを利用してサービスを求めてるだけだけど
貴「おはようございます」
店「おー○○ちゃんおはようさん」
今日は朝から夕方までのぶっ通し
小さいお店だけど常連さんも優しいし苦はない
まあ常連さんに彼も含まれているのだけど
店「あ、そういえば今日入ってる子が急遽来れなくなっちゃってね」
貴「そうなんですか?」
店「代わりの人を呼んでるからその人とよろしく頼むよ」
銀「誰が代わりの人だ」
裏から出てきたのは見慣れすぎた銀髪に顔をしかめた侍
貴「坂田…」
銀「…よぉ」
店「いやぁ〜助かったよ銀さんありがとね」
銀「ったく…珍しく依頼が来たと思えばジジイかよ」
店「頑張ってくれないとお金は払わないからね銀さん」
銀「…クソジジイ」
なにこのタイミング
しばらく喋っていなかった人とシフト入るなんて
それに
店「じゃ、1日よろしくね」
時間まで一緒なんて
銀「……」
貴「……」
あの…すごく気まずいんですけど
銀「…やるかぁ」
貴「あ、うん…」
だけど会えて話せて嬉しいなんて
余程重症らしい
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作者名:さくさく | 作成日時:2021年5月12日 16時