じゅうなな ページ17
貴「おじさ〜ん、これと同じの〜」
銀「馬鹿かもう帰るぞ。おじさん勘定」
あれからどれくらい時間が経ったのか
ボーッとする意識の中でその会話は聞こえた
店「あいよ、○○ちゃん今日ペース早かったもんだ」
銀「何考えてんだか…」
店「…まったく、銀さんも罪な男だねぇ」
銀「あ?」
店「女ってもんはどんな小さなことでも覚えてるんだから」
銀「……」
店「中途半端じゃなにも進まないよ」
銀「…分かってらァ」
彼は私の財布ではなく自分の財布からお札を出してお店を出た
言うことを聞かない私の体を彼が支えてくれる
銀「おい、ちゃんと歩け」
貴「ん〜…」
銀「…ったく、危機感持てよ…」
貴「…ん」
絡まる足を必死を動かして道を歩く
お酒はすごいな
話し方を忘れたってこんなに近くになれちゃうんだから
銀「…おい、着いたぞ」
そう言われ顔を上げれば見慣れた建物
貴「マイ、ホーム…」
銀「力入れろっての」
なんやかんや言いながら中まで入れてくれる
私を和室に座らせると水を入れて持ってきてくれる
銀「ほら飲め」
貴「ん〜いらない…」
銀「いらないじゃねぇんだよ!飲め」
貴「ん…」
背中を支えてくれ、口の中に水が流れ込んでくる
だけどそれはすぐ外に出てくる
銀「あーあー、こぼしてんじゃねぇか…」
貴「ん…坂田ぁ〜…」
銀「あ?」
貴「…あれって、どういう意味…なの…?」
銀「……」
貴「へへ、覚えてるわけないかぁ〜…さっきも言ってたもんねぇ〜」
銀「…覚えてないわけねェだろ…」
「こちとら平然装うのに必死なんだっての…」
その言葉に返事も出来ないまま彼の腕の中で意識を手放した
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作者名:さくさく | 作成日時:2021年5月12日 16時