Call me back again【短編集】

バースデーサプライズ -kwkm* ページ27

*｢calm down｣の中の皆様です。
長めです。




『え、拓朗って大晦日が誕生日なの？』

｢そう、だからAは帰省の日ずらす？｣



拓朗との出会いから、あまり連絡を取り合ってなかった拳くんとも月一くらいでご飯に行くようになり、お互いに近況報告をしたり相談し合ったり、私が拳くんに野菜を食べさせたりしている。(ほとんど弾かれるが)

年末香川に帰るけど、Aも帰るなら一緒に飛行機取っとこうか？と拳くんが言ってくれたのだが、そのあと付け足された｢あ、でも川上12月31日誕生日か｣という言葉にビックリした。全然知らなかった。教えてくれてもいいじゃん拓朗さんや。



『そうなのか…。あれ、でも拓朗も帰省するのかな？大阪だよね？』

｢今年は年末はこっちで元日の夜に帰るって言ってたよ｣

『なるほど。良かった、拳くんが色々知ってて』

｢幼馴染の彼氏事情を俺が知ってるのもどうかと思うけどね｣



それは確かにそうかもしれないが、普段は拳くんの方が拓朗と一緒にいる時間が長いから仕方ないと思う。

時期としてはクリスマスが近いから、一緒にお祝いしてもいいのだろうけど、きっと昔からそうだったんだろうなぁと思うと何か少し捻りたい気持ちが出てくる。



『あ！ねぇ、QuizKnockのメンバーさんってオフィスでよく夜まで一緒にいるイメージあるんだけど、大晦日も皆さんで年越したりするかな？？』

｢あー、伊沢が年越し番組みながらワイワイやろうぜって何人か誘ってたから、多分そうだと思うよ｣

『じゃあさ、拓朗にサプライズ出来ないかな？？例えば───────。』







｢なるほどね…ってそれ安易に俺に手伝えって言ってるよね？｣

『え？もちろん』

｢人使いが荒いんだから…｣

『ふふ、そんなこと言いながらやってくれるの知ってる』

｢川上にもこの性悪なところ見せてやりたいわ｣

『性悪なんて失礼な。あ、でもメンバーさんは承諾してくれるかな？』

｢それは大丈夫だと思うよ。みんなサプライズとかドッキリとか大好きだし。あ、今日ちょうど川上はオフィス来ないっぽいし、今から行ってみる？｣

『ほんと！うん、ちょっとお邪魔したい！そして作戦を伝えよ！』

｢はいはい。じゃあ行こっか｣




荷物をまとめ立つと、既にレシートを持ってレジに向かっている拳くん。相変わらず優しいなぁ。
ちなみに年末の帰省はやめて、私達も拓朗と同じく元日の夜に帰ることにした。

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