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わかってるならいちいち遠回りして聞くなよ。
『善法寺には関係ない。』
善法「関係あります。これから毎日天女様の手当てするんですから。」
『はぁ?!私はそんなの頼んでない!』
善法「頼まれてなくても!僕が保健委員だからやるんです!」
保健委員?なんだそれは。私の知ってる保健委員と同じ解釈でいいのか?
怪我した人が来たら手当てするということか。理解できない。そうだとしても私は天女だぞ。昨日と今日のことを思い出しても天女が積極的に手当してもらえるような存在とは思えない。どうして私に手当てを施す。こいつは…
『お人好しめ!』
善法「お人好しでいいですからほら、腕出して」
人の言うこと聞いてんのかこいつ!
〜〜っ!これ以上関わるのがめんどくさいだけだ。
『ん、あんま触んなよ。』
善法「任せてください。」
『……今ついてる包帯も善法寺がやったのか?』
善法「心配で見に行ったら寝てたからね。その間に。」
『ハッ、心配って。どの口が言ってんだか』
善法「あはは…。これに関しては本当に申し訳ないよ。」
『でも、ありがとよ。手当てしてくれて。』
善法「!じゃあ君が触られるのが苦手な理由も教えてくれるかい」
『じゃあってなんだよ。言わねぇよ。調子乗んな。』
『…明日、気が乗ったら教えてやらんこともない、かも』
善法「本当かい!早く明日にならないかな〜」
『ふっ、そんなに聞きたいかよ』
善法「聞きたいさ。君がどんな風に傷ついたか知りたいんだ。」
そう言って、腕にあるあざを優しくなぞる。その表情は悲しそうに見えた気がした。きっと彼は優しすぎる性格なのだろう。
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作者名:きゅー | 作成日時:2024年1月19日 12時