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「なんで資格が無いとか思うんだ?」

中也お兄ちゃんが私に問う。

『…だっ…て、私、とても自分勝手だったの…。
勝手に自分で決めて、勝手にみんなを置いてきた…大事な、家族なのに…。』

少し黙った後、中也お兄ちゃんは私の目をしっかりと見て口を開いた。

「俺にはそういうのよく分かんねェけど…、家族ならそれくらい許してくれんじゃねェのか?
ちょっとのワガママ言ったら嫌われんのか?
手前の決めたことを怒るような、責めるような、そんな奴らなのか?」
『…ちがう…。』

彼らは、

私を嫌ったりしない。

私の決めたことを、

将である私が決めたことを、

何の理由もなく怒るような、責めるような、

そんな事は絶対にしない。

だって、失敗なんて幾らでもした。

間違いだって何度もした。

でも彼らは、私を正しい方へと導いてくれて、

私を信じて、いつだって付いてきてくれた。

私の大事な家族であり、

私の大切な仲間であり、

私の大切な、神様…。

だからこそ、勝手に死んで、

勝手に追いて逝った私を、

怒るでもなく、責めるでもなく、

ただただ悲しんで、

自分たちのせいだと後悔しているのが、

容易にわかるのだ。

「はぁ…そんなに悩む必要ねェだろうが。」
『でも…、わたし…。』
「大事に思ってるから、離れたく無かったんだろ?
また会いてえと思ったんだろ?
それとも、その手前の家族に言われたのか?
そんな資格無ェって。」

皆、

皆は…、

『…みんなはっ、そんな事、ぜったい言わないよっ…!』
「なら、もっと自分に自信持てよ。
手前がそんなに会いてえなら、向こうだってそう思ってるはずだぜ?
会わねェで後悔するくらいなら、会ってから後悔しろ。

そんなに悩んで泣くくらい、大事な家族なんだろ?」

頭を優しく撫でられて、私の涙腺は崩壊した。
割とずっと崩壊していたけれど…。

「家族に会えるよう俺も手伝ってやる、だからもう泣くな。

手前はただ笑ってろよ。

その方が、次会う時家族も喜ぶと思うぜ?」
『うん…うん…!

ありがとうっ…ちゅうやお兄ちゃん…!』


涙を流しまくった私の今日の笑顔は、

きっと今までで一番不細工だっただろう。




今の会話で出て来てくれなかった前田から、

ひらりと桜が舞った。

23 side:刀剣男士 (※微病み注意)→←21



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Hi! - はじめのエリスちゃんの言葉にやられました。好きです! (2019年7月14日 23時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
しの - マッジで面白いねんけど 更新待ってますね (2019年7月12日 0時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - わさまんさん» それに気が付くとは…。知られたからには…。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - silentさん» ありがとうございます。いいことがあって悪いことがあったら次はまたいいことが来ますよ。例えば賽子6・6とか。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - KISH○W推し(女)さん» ちゅやはいいぞ。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カノン | 作成日時:2019年6月6日 19時

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