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「中原中也だ…。」
ぶっきらぼうに少年は私に自己紹介をした。
前田は少し膨れながらも私の斜め後ろで控え、姐さまは参観日の保護者のような顔をして少年の後ろに控えている。
『A、です。よろしくお願いします。』
ぺこりと頭を下げて私も挨拶をする。
「…ちいせぇな。」
『?えと、ちゅうやお兄ちゃんが、大きいんだよ。』
少しだけ目を見開いた少年は私に手袋をしたその手を伸ばし、
私の髪の毛をぐしゃぐしゃにしながら頭を撫でてきた。
「そうだな、俺の方がでかいから小さく見えるんだな。」
『わっわっ、髪の毛ぐちゃぐちゃになるよっ…!』
「っと、わりぃわりぃ。」
今度は髪の毛を梳かすように撫でられる。
手馴れたようなお姫様扱いに、中也お兄ちゃんの将来が心配になった。
「こんなに小さくて細いと、すぐ折れちまいそうだな…。」
『たくさんカルシウムとってるよ、とっても丈夫。』
パチパチと瞬きした後、可笑しそうに中也お兄ちゃんは笑った。
「はは、そうかよ!
でも、まぁ…そうだな…、丈夫でもAは弱そうだからなァ、
仕方ねェから俺が守ってやるよ。」
…ん?なんかそんな台詞昔どこかで聞いたような。
ああ、そうだ…。
『治お兄ちゃんも、はじめて会ったときにそんなこと言ってた。』
「…あ?」
唸り声のように低い声が聞こえた後、ガシリと肩を掴まれた。
「A…困ったことがあるなら、ぜってぇ俺を頼れ。
あのクソ鯖野郎なんて頼るな。俺の方が強いんだからな。」
『うん?』
「中也その意気じゃ。Aをいつだって守るのじゃぞ。
太宰なぞに負けるでない。」
「任せろ姐さん。俺がAを守る。」
『ええ…?』
なんか妙なことになってるなぁと思いながらも、興奮している2人を止める術は私には無いと悟った。
彼はチョロそうですね、と小さく呟いた前田の言葉は、私の中に留めておくことにした。
治お兄ちゃんと中也お兄ちゃん仲が悪いのかな?
今度治お兄ちゃんに聞いてみよう。
――――――――――――
よく見たらお星いつの間にか真っ赤になってましたね。
そんなにたくさん評価されていたとは…ありがとうございます。
あと、私は漫画しか読んでないので過去知識とかは色々調べながらやっていますが、間違ってたらすみません。
その辺りは捏造設定にしておいてください。
きちんと全体を把握したら直して行きたいと思います。
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Hi! - はじめのエリスちゃんの言葉にやられました。好きです! (2019年7月14日 23時) (レス) id: f98b79cb93 (このIDを非表示/違反報告)
しの - マッジで面白いねんけど 更新待ってますね (2019年7月12日 0時) (レス) id: 5129f74190 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - わさまんさん» それに気が付くとは…。知られたからには…。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - silentさん» ありがとうございます。いいことがあって悪いことがあったら次はまたいいことが来ますよ。例えば賽子6・6とか。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - KISH○W推し(女)さん» ちゅやはいいぞ。 (2019年6月24日 21時) (レス) id: 6b81268271 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カノン | 作成日時:2019年6月6日 19時