66.ガールズと洋服の話 ページ20
｢ねぇねぇ、こっちも可愛い！Aちゃんに似合うと思うなぁ！あ、でもあれの方がAちゃんっぽいかも｣
｢きょ、京子さん、一度きゅうけ｣
｢うーん、でもさっきのお店の方が安かったしAちゃん好みの多かったよね｣
｢そ、そうですね。それで京子さ｣
｢じゃあやっぱり、さっきのお店に戻ろっか！｣
ダメだーー！！
私じゃ京子さんを止められないし、このペースにもついていけない。これが本当の女子の買い物なのか。笹川京子さん、見た目の割にパワフルな人だったんだね……ははっ。
はぁ……。
ボクシングをやってるお兄さんと同じ血を引いてるだけある。腕を引かれながらさっきのお店まで戻ってきた。シンプルだけど可愛さもあるそんな雰囲気のお店で、店内にはオシャレな人が多い。こんな格好で入るのが恥ずかしかった。
京子さんの後ろを付き人のように歩いて、出される物どれも可愛い。これはどう？と聞かれるたび、可愛いと思います、と返す。どれも本当に素敵で、正直もうどれでもいい気がしてきた。その時、夏らしいストライプのワンピースが視界に入る。
｢あ｣
｢え、どうかした？｣
｢いや、あれ、可愛いなぁって｣
｢あの青いワンピース？たしかに可愛い！ベルトとかしたらスッキリ見えるし、カンカン帽とかも合わせたら｣｢わ、わかりました。とりあえず買います｣
このままだと長くなる気配を察して無理矢理中断させた。3000円弱したが、今日は使い道も無く貯まっていたお金を持ってきている。手持ちに不安はない。ついでに歩きやすそうなダブルベルトのサンダルも買って、そのお店を出た。
｢す、すみません。そろそろ一時休憩をしたいのですが｣
｢とっくにお昼過ぎちゃってた、ごめんね？｣
｢いえ！私のために真剣に、本当にありがとうございます｣
少し前の私だったら、きっと｢こちらこそ、ごめんなさい｣と謝っていた。でも、京子さんは友達で、マスク無しでもこうして話せる。本当に感謝しているんだ。
エレベーターで上の階へ行く。ちょうどピークが過ぎた頃だからファミレスもそこまで混んでいなくて助かった。難なく席を確保し、私はカルボナーラ、京子さんはグラタンとサイドメニューを頼んだ。やってきたポテトフライに｢Aちゃんも食べて｣と笑顔を向けられる。
気が利いて、可愛くて、同じ女子として羨ましい。
｢私ももっと、女の子らしくなりたいです｣
｢やっぱり好きな人のため！？｣
｢ち、違いますって！｣
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無気力boy(プロフ) - 初コメ失礼します。いつも楽しみに見てる者です……！これからも楽しみにしています( ´▽｀) (2019年4月20日 19時) (
レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月18日 23時
