62.忘れた頃に、の話 ページ16
豆腐メンタル、ガラスのハート。私の精神的脆さは確かに改善すべきだろう。それをわざわざ風紀委員で行ってもらえるなら、本来喜ぶべきところ。全く嬉しくないけど、避けては通れぬ道でもあった。
｢特別講師も来る予定だから楽しみにしててよ｣
｢恐ろし過ぎる｣
たった1泊2日、されどこれは"地獄の1泊2日"だ。特別講師が誰なのか想像もつかない。｢あ、それと｣雲雀さんの思い出したような声に、まだあるのかと内心げっそりした。
｢こないだの何でもするって約束のことだけど｣
＿＿うっ、もう忘れたと思ってたのに！
｢水着、用意しといて｣
｢……はい？｣
水着って言ったよね、今。困惑していた私は、雲雀さんにもう一度言ってくださいとお願いした。けどかえってきた答えは同じ。
｢すみませんが、詳細を教えて頂けますか？｣
｢海用、とだけ教えとく｣
｢海！？む、むむむりです！！あんな人が沢山いる所で肌を露出するなんて、正気でいられる自信が｣
｢何でもするって言ったのは君だけど？｣
｢そ、それはそうですが……｣
何故海に行くんだろう。詳しく教えてくれないところが怪しいんだよなぁ。だいたい、私が海に行って大丈夫なんだろうか。海に行ったこともないし、人が多すぎて倒れたりしたらどうしよう。
｢日程は合宿最終日に伝える。遊びに行くわけじゃないけど、間違っても学校指定の水着なんかで来ないでよ｣
｢もちろん分かってます！｣
海に学校指定の水着で行くなんて、そんな漫画みたいなミスはさすがにしない。それより遊びに行くわけじゃないって言葉が気になった。なら、一体海に何しに行くんだろう。
完食したお弁当を片付けていると、中身が和食ばかりだったところを雲雀さんに聞かれた。冷凍食品もほとんど入っていないこのお弁当は、おばあちゃんが作ってくれたものだ。
｢祖母は和食派なので、私も和食の作り方ばかり調べちゃうんですよね。ちなみに、雲雀さんは和食と洋食だったらどちらが好きですか？｣
｢和食｣
｢そ、即答｣
雲雀さんって和食好きなんだ。
思い返せば、私って雲雀さんのこと何にも知らない。いつも受け身で、私から人に関わろうとすることはしないからなぁ。きっとこういうところがダメなんだ。もっと積極的に！行動派にならないと！
｢ひ、雲雀さん！来週の放課後、付き合って頂けませんか！｣
｢何で僕が｣｢雲雀さんじゃなきゃダメなんです｣
｢……いいよ、別に｣
｢あ、ありがとうございますっ！！｣
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無気力boy(プロフ) - 初コメ失礼します。いつも楽しみに見てる者です……！これからも楽しみにしています( ´▽｀) (2019年4月20日 19時) (
レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月18日 23時
