54.女の子の話 ページ7
｢随分と騒がしいね｣
どこか楽しそうな声色に背筋がヒヤッとする(私が言われたわけじゃないけど)。沢田さん達とは一緒に戦った仲なのに、容赦ないところは流石雲雀さんだ。
｢よ！三峰｣
｢こ、こんにちは｣
私が後ろにいるのは当然とされてるようで、少し体を傾けた山本さんから挨拶される。この状況で普通にしてられる山本さん、将来大物になりそう。一歩横にずれてぺこりとお辞儀した。髪の毛が大変なことになっているのでひどい見た目だろう。
｢三峰さん、髪長くて大変そう。大丈夫？｣
｢あ、えっと……あなたは？｣
｢私、笹川京子って言うの。三峰さんは一年生の頃C組だったよね｣
なんで知ってるんだろうと思ったけど、そりゃあ風紀委員だし有名か。笹川京子、いつだったか笹川先輩に妹さんがいると聞いたことがあったな。可愛い子で何だか私とは別次元って感じ。比べるのもおこがましいけど、何だか悲しくなってくる。
｢か、髪を結びたいのですがゴムがなくて。お見苦しいところをお見せしてしまって、すみません……｣
｢そんなことないよ！ゴムならあるし、櫛貸そうか？｣
｢ほ、ほんとですか……｣
こんな底辺女子の私にも優しくしてくれる人がいるんだ。女の子の友達なんていたことがなかったし、だいたいみんな私を見下すから。だから、こういう子との接し方がよく分からない。
バックから取りだされた櫛で髪を梳かした。でも、彼女からじーっと見られていることが気になってやたら挙動不審になってしまう。目線は一箇所に定まらないし、なんなら手も震えて……
｢髪、綺麗だねぇ！｣
｢へ……｣
｢私が梳かしてもいいかな？｣
｢え、あの、でも……ど、どうぞ｣
目がキラキラしてて断れなかった……。漫画の中だけだと思ってたけど、本当に可愛い子は瞳の中に硝子でも入っているのかもしれない。人様に髪を梳かしてもらうなんて何年ぶりだか。
そういえば、雲雀さんと沢田さん達は。
チラッと隣を見れば、一触即発の雰囲気だった。
｢あ、笹川さん！隣、あれ止めないと！｣
｢京子でいいよ。私もAちゃんって呼んでいい？｣
｢あの、良いので！あれ！あれ！｣
京子さんが思ったよりマイペースでビックリだが、雲雀さんと獄寺さんが今にも喧嘩しそうになってるのも気にしてあげて！｢はい、できた｣｢ど、どうも……ってだから！｣
やっぱり笹川先輩の妹さんだ。肝が座ってるというか、我が道を行くというか。普通に良い人だから怒る気にもならないけど。
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無気力boy(プロフ) - 初コメ失礼します。いつも楽しみに見てる者です……！これからも楽しみにしています( ´▽｀) (2019年4月20日 19時) (
レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月18日 23時
