42.爆発音の話 ページ44
小鳥さんに慰められながら、もう何時間経過しただろう。体感的にはかなり長く感じる時間も、きっと対して進んではいないんだと思われる。口の中に詰められた布のおかげで、唾液を垂れ流しにしてないことだけは嬉しいことだった。
＿＿四方は壁に囲まれてる……
私が落とされたと思われる上の天井。隙間から光が漏れてるから、恐らく穴の上に蓋をしている状態なんだと思う。あそこから誰かが覗き込んでくれれば気づいてもらえるだろうけど。
それか私の鎖が奇跡的に取れたら、銃で壁を壊して脱出できる。……この案は期待できないな。やっぱり人が来るまで待つしかないと思っていると、どこからか爆発音が聞こえた。ここで爆発なんて、私の知る限り一人しかいない。
＿＿獄寺さんだ！近くにいる！
｢んー！！！｣
何とか居場所を知らせようと騒いでみるが、そこではたと気づく。爆発しているってことは獄寺さんが近くにいるってことでもあるけど、敵と交戦中である可能性が高い。下手に私のことで気を散らせるのはよくないんじゃ……
｢……か！…れ｣
この声は、山本さんが倒したはずの男の声。
｢ヤラレタ！ヤラレタ！｣
小鳥さん、いつの間に私のリボンの中から。それに今のヤラレタって台詞。まさか、獄寺さんが負けたの？それとも相手が？分からない。今一体壁の向こうはどうなっているんだ。
｢ミードリー
タナービクー
ナーミーモーリーノー｣
小鳥さんが歌を歌っている。これは並中の校歌だ。や、やっぱり雲雀さん、小鳥さんのこと完璧に躾てる。ただ、なんで校歌？そう思った時だ。すぐ隣から爆音と何かが崩壊する音がして、思わず身を縮めた。
＿＿な、なに！？何が壊れたの！？
爆発はきっと獄寺さんだ。でも、獄寺さんは一体何を壊したのか分からない。天井？壁？……壁、壁だ。雲雀さんの方も私と同じなら、獄寺さんが雲雀さんに気付いて壁を吹き飛ばしたのかとしれない。
｢ん！！ん、んんんー！｣
＿＿私も！！私も助けてー！
｢自分で出られたけど、まぁいいや。そこの二匹は、僕にくれるの｣
雲雀さんの声は聞こえるけど、他の人たちの声はハッキリと聞き取れない。敵が複数いることは確認できるけど、獄寺さんの声は全くしない。きっと、声も出せないほど酷い状況なんだ。
｢その前に、君を助けてあげるよ。感謝してよね｣
｢ん！？｣
君って、私のことだよね。ちょ、ちょっと待って！もし瓦礫が飛んできても今の私はガードする術がないのに！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
