24.助けられる話 ページ26
｢前に言ってただろう？精神病について知りたいって｣
｢あ、え、はい｣
確かに聞いたけど、なんで肩を掴んでくるんだろう。教えてくれるなら大変ありがたい話しだし、もちろんついて行く。でも、こんな密着する必要ないのでは。私がそう抗議する前に、グイッと肩を後ろに引っ張られた。
｢え、…いっ！｣
しかも思いの外力が強くて、そのまま転んでしまう。普通に手とお尻が痛い。手のひらの埃を払いながら顔を上げると、そこには雲雀さんの姿があった。見上げてるせいかいつもより威圧感が。
｢さっきまで僕の後ろにいたと思ったら……。さっさと仕事に戻りなよ。じゃないと｣
トンファーが日に照らされてキラリと輝く。固まっていた身体を奮い立たせて、すぐに立ち上がった。
｢も、もど、戻ります！失礼しますぅっ！！｣
不機嫌さがさっきより増してるので素直に従う。いや、機嫌が良くても従うけど。群れるのが嫌いな雲雀さんの後ろに付き纏ったのがいけなかったのか、今度からは気をつけよう。
校門まで仕事をしに戻る。他の風紀委員に指示を出していた草壁さんに私の仕事を尋ねた。暫く口に咥えていた草を揺らすと、別の風紀委員に何か伝えている。
｢お前はこっちに残れ｣
何か話していたが、残れということしか聞き取れない。草壁さんは私を見て｢病院へ行くぞ｣と、真剣な声色で言った。
｢運び込まれた者や、見舞いに来た生徒でごった返してるらしい｣
＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿
【視点なし】
｢ちぇ、あとちょっとだったのになぁ｣
シャマルの言葉に呆れ気味のツナだが、それより雲雀の方をちらちら見ていた。今の台詞で、さらに雲雀の目が鋭くなったからだ。当のシャマルはリボーンと何か話しているし、ツナは気が気じゃなさそうに頭を抱えている。
｢て、ていうか、こんなところで何してんの｣
｢ああ、何だか物騒な話しを聞いたんでな。女の子たちを守らないとと思って｣
｢アンタの方が危ないよ……。それに、さっきみつ｣
三峰、と言いかけてツナは口を閉じた。その視線は雲雀の方を見ていて、特に反応がないことにはぁっと息を吐き出している。安心も束の間、どこからともなく並中の校歌が鳴り響いた。
｢うちの校歌だ。どこから……ん？｣
雲雀の携帯から流れる着うたに、ドン引きしているツナ。その顔が雲雀に見られていたら、間違いなくひと睨みされているところだ。
｢ああ、そう。
君の知り合いじゃなかったっけ、笹川了平。
やられたよ｣
｢えっ！？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
