14.困った事態の話 ページ16
例の一件から三日。
私は現在、人から避けられている。誰もが道を開けてくれるし、話しかけてもこない。私としては万々歳の結果だけれど、その経緯は些か問題ありだ。溜め息を吐くだけで、近くの人が悲鳴をあげて逃げていった。
実を言うと、今この並盛中学では、私があの五人を雲雀さんと倒したという噂が広まっている。そんな噂、本来であれば風紀委員がねじ伏せるんだろうけど、なにせ今回のことはほぼ事実だ。
ただ問題なのは、その噂を聞いた人達の印象。
"私と雲雀さんが五人を倒した"と聞けば、知らない人間は間違いなく、最初から一緒に共闘していたと思うんだろう。
……いや、全く違うから！！
私が絡まれてキレたところに、たまたま雲雀さんが参戦したに過ぎない。つまり私と雲雀さんにはなんの関係もないのだ。
なのに、噂のせいで……
実は風紀委員のスパイだとか。
雲雀さんの彼女だとか。
しまいには、二人で数々の不良を倒したとか。
こんなわけの分からないことになっている。
ハッキリ言ってもう収集がつかないところまで来ていた。そして現在、私は応接室へと呼び出されている。一年生の教室から応接室までは少し遠くて、おかげで人の視線が恐ろしい。
極力周りは見ないようにして、何とか応接室まで辿り着けた。途中、何度引き返そうと思ったことか。コンコンといい音が鳴る。
｢入りなよ｣
｢し、失礼します……｣
マスクをつけ直して入室。応接室に入るのは初めてなので緊張していた。けど、中には雲雀さんしかいなくて、割と普通の綺麗な部屋だ。座っていいのか分からずドアの前で突っ立っていると｢適当に座っていいよ｣とお許しが出る。
この人もリボーンさんと似て凄みがあるんだよなぁ。
｢要件は分かってるよね？｣
｢は、はぃ。えっと、噂の件です、よ、ね？｣
はい、とは言ったけど正直自信はない。もしかしたら別のことかもしれないとオドオドしてると、雲雀さんは無言で向かいのソファに腰掛けてきた。やっぱり威圧感がある。もしかして、違ったんだろうか。
｢噂自体は、別にどうとでもなるから問題ないんだけどね｣
あ、噂の件であってたのか。安心したけど、なんだか煮え切らない態度の雲雀さん。言葉の続きを待っていると、鋭い目つきで睨まれビクッと肩が揺れる。
｢君には、風紀委員会に入ってもらう｣
｢……え｣
｢僕としても本意ではないんだけど｣
本意じゃないって。
いや、ていうか風紀委員会に入るって、どういう。
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
