04.昼の話 ページ6
あのあと、精神的に瀕死だったところで先生が入ってきて難を逃れた。いや、逃れてはないけど。もうあと少ししたらクラス替えだから、今は我慢するしかない。アイツらも授業中は手を出して来ないし、間の休み時間は常に寝たフリでやり過ごした。
さすがに向こうも寝たフリには気づいていると思う。私にはこれしか方法がないから仕方ないけど、向こうが何もしてこなかったことは、妙に不自然だと思った。
とはいえ、
地獄の午前を
購買でメロンパンを買って、大抵は校舎裏にある大きい木の下で食べる。わざわざ校舎裏に人が来ないから、私の数少ない安全地帯の一つ。……だと思っていたのに。
｢な、なにこれ……｣
人がそこら中でぶっ倒れてる。先輩だろうけど、全員ボロボロだ。恐る恐る、少し近づく。脈を計って死んでいないことを確認した。死んでないなら、まぁいいか。私はスタスタとその場から離れ、甘いメロンパンを食べた。別に助けてあげる義理もないし、そもそも喧嘩するような連中とは関わりたくもない。
サクサクとふわふわの共存。そして、外で食べるともっと美味しく感じれるこの不思議。瀕死の人間が転がってさえいなければ、なお良かった。
メロンパンを半分ほど食べ終えたところで、人の足音が耳に入る。人が来たら食べるどころじゃない。咄嗟に木の後ろへ隠れた。あれは、風紀委員の人達と……医者、だろうか。担架を持っている。
風紀委員、怪我人、先輩……。
｢あ、そういう｣
担架で運ばれていく先輩たちを見て、ようやく理解した。これは、風紀委員長＿＿雲雀恭弥の仕業だ。あの人、群れてる連中が大嫌いって話だし。超強いって噂は遠くから耳にしていたけど……まさかこれほどとは。
でも、群れることのない私が関わり合いになることもないし、あまり気にする必要も無いか。最後の一人が運ばれていくのを見届けて、ようやく緊張が解けた。
｢おい、そこにいんのは誰だ｣
ビクッと肩が跳ねる。誰もいないはずなのに、どこから声が。右も左も、人影はない。まさか空耳かとも思ったけど、それにしては変な声だったような。まるで、子供のような声に聞こえた。
｢いやいや、子供がここにいるわけないし｣
｢俺ならここだぞ｣
｢え｣
真上から声がして、思わず短い悲鳴が出る。まさか木の上に人がいるなんて思わない。それに、やっぱり声が幼いような。木から降りてきた人を見て目を見開いた。
幼いっていうか、赤ちゃんじゃん！？
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まどろみ(プロフ) - 凛さん» ご指摘ありがとうございます！すぐ修正しておきます！ (2019年3月11日 22時) (
レス) id: 2cd0a82a72 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - こんばんは！雲雀さんの口癖は噛みじゃなく咬みですよー (2019年3月11日 22時) (レス) id: 6bfe22f21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まどろみ | 作成日時：2019年3月10日 22時
