王道その10 ページ10
…こいつ今、なんて言った？
彼はバカにするような笑みを浮かべて私から顔を離すと、ふんと小さく鼻を鳴らす。
呆然とする私を横目に、煽るように言ってきた。
sha「なーんや。やっぱりお前もそこら辺の女となんも違わへんのな。男に色目使って気を引こうとして。ちょーっと顔近づけてやるだけで期待してさぁ。何、どこまでして欲しかったん？なにされると思ったん？…屋上でのやつも本当は演技やったんやろ？なぁ。少しは面白いかなって思うて話しかけてみたけど、やっぱり期待はずれやったわぁ」
彼から放たれる屈辱的な言葉に私は唇をかみ締める。
乙女の純情を弄ばれたような気がして我慢ならない。
私の頭に血が上ってくるのを感じる。
込み上げてくる怒りを抑えられずに、私はじろりと彼を睨みつける。
強く彼の肩を押して距離を取ると、大きな声で罵倒してやった。
『…ふっざけんな！！！！勝手に近づいてきたくせに悪者扱いすんじゃねぇよばーか！！！！誰がお前になんて期待するか！！二度と私に近づくなこのナルシスト！！！お前なんかにキスされるよりコネシマくんにされた方がよっぽど嬉しいわ！！！！人の純情をもてあそんでんじゃねーよ！！！』
sha「…え、」
『お前に捧げるファーストキスなんて存在しねーんだよばーか！！！！！』
そう言って私は自分の荷物を抱えてドアに手をかける。
鍵がかかっているのをすっかり忘れて扉を引くと、案の定扉は開かずに私は体制を崩した。
『っわ、』
sha「…何しとんの、お前。そこ鍵かかっとるんやけど」
体制を崩す私をポスリと片手で支えると、彼は呆れたように呟く。
『…離してください』
sha「嫌やね」
彼に助けられるのが癪でしかなくて身を攀じると、ぐるりと体反転させられた。
腰にがっしり回された腕は、強く押してみてもビクともしない。
不愉快極まりないと顔を上げると憎たらしいあの顔が近づいてきていて、私が何を言うよりも先に強引に唇が重ねられた。
………は？
sha「…前言撤回。やっぱりお前おもろいわ。気に入ったし、ファーストキスは貰っとくな」
『………な、…な、…！？』
ニヒルに笑った彼は、大パニックを起こす私の頭を一撫ですると、そのまま扉の鍵を開けてどこかへ行ってしまう。
…転校初日、まさかのファーストキスを奪われました。
『…あいつだけは、絶対に好きになれない…！！！！』
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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