王道その38 ページ39
タイトルを告げられステージ上に上がってきたのは女装したオスマン先輩とげっそりした顔のひとらん先輩。私が見た時はオスマン先輩、エーミール先輩と歩いていたはずだけど…。
アイドルのごとく生徒たちに手を振るオスマン先輩に対して、ひとらん先輩は死んだ目をしている。スクリーンに映る二人の写真を見る限り、多分無理やり取られたんだろ。それだけじゃなくておそらく知らない間にエントリーされたんだろうなぁとか思うとひとらん先輩が不憫でならない。
女子生徒たちの黄色い悲鳴を一身に浴びながら平然と景品を受け取る先輩たちに、すごいなぁと感心してしまった。
「ひーっ、ひっひっひ…あーははは！まさかあのふたりが……ふふっ」
私の隣ではコネシマくんが未だに引き笑いをし続けている。これはしばらく収まりそうにない。背中に軽くさすりつつステージに視線を向けると、既に第2位の発表をしようとしていた。
「第2位は……【うっつん＆冬華】！」
また大きな歓声が上がる。
司会者の口から告げられた名前は、確実に賞に入っているのだろうと確信していた相手で。「まぁそうだろうなぁ」という幼稚じみた言葉しか口に出来なかった。
しかしやっと笑いが納まったコネシマくんは、先程とは一変して面白くなさそうな表情を浮かべている。
彼の視線はまっすぐ冬華さんに向かっていて、極寒の地を彷彿とさせるような冷たいものだったのでそっと見なかったことにしておいた。
「嬉しいです！」
商品を受け取りながらわざとらしくステージ上で可愛らしく頬を染める冬華さん。それを見ている鬱くんも優しい笑みを浮かべている。
彼もやっぱりあんな可愛らしい女の子が好きなんだなぁと思っていれば、私の内心を読んだのかコネシマくんが呆れたように呟いた。
「アイツ別にあの女の子と好きとちゃうで」
『え？』
「あいつ女なら誰でもええねん。女食い漁るタイプやし。あれやな…そう、クズ！」
『んふっ』
そんなこと言っていいのか。
本人のいない所でとんでもないことを暴露されているとは知らない鬱くんは、爽やかな笑みを浮かべている。
そういえば初めて会った時もプレイボーイな感じの印象だったっけ、なんて思い出しつつ瞬きすれば、司会者が興奮した様子で声を荒らげた。
「では皆さんお待ちかね、ベストカップル賞の発表です！」
会場が一瞬静まり返って、湧き上がるような歓声が上がる。
ついテンションの上がる私とは違い、コネシマくんはつまらなそうに欠伸をした。
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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