王道その36 ページ37
トントン先輩とまわる文化祭一日目はとても楽しいものだった。
演劇を見に行った時は野良犬Aを演じているシャオロンくんを煽り散らし、カフェで休憩した時はお釣りを誤魔化そうとするチーノくんにガンを飛ばして。女装姿のままエーミール先輩と歩くオスマン先輩を見た時には思わず3度見したりもした。
それくらい先輩と一緒にいる時は楽しくて面白くて、時間が過ぎるのなんてすっかり忘れてしまうほどで。
お化け屋敷で脅かされたことだけは絶対に許さないけれどそれ以外は基本的にとても優しくて。
これならもっと女子からもてることになるんだろうなぁなんて他人事みたいに考えてみた。
前に冬華さんが言っていたイベントが関係しているのかは分からないが、この学校の文化祭では男女二人組で行動している人達が比較的多い。
だから私がトントン先輩と一緒に歩いていてもそこまで悪目立ちすることはなかったし、不審に思われることもなかった。
…まぁ何度かちらちら見られたりはしたのだが。
それは仕方ないと割り切っている。
今まで女子生徒と関わりを持とうとしなかった先輩が突然私と一緒に行動しているんだから不思議に思っても仕方ないだろう。
少しその視線が居心地悪かったりはしたのだが。
生徒たちからの好奇の視線から逃げるようにして生徒会室前まで歩いた私達は、周りに誰もいないのを確認したあとほっと息をついた。
遠くから楽しげな笑い声が風に乗って聞こえてきて、どこか嬉しい気持ちになる。
汗を拭いつつ髪をかきあげたトントン先輩と目が合うと、2人でクスクスと笑いあった。
「いやぁ楽しかったわ」
『私も楽しかったです。ありがとうございました』
「こっちこそありがとうな」
扉に背を預け、スマホをいじり始めたトントン先輩。その姿を横目にスマホのロック画面を確認すると、そろそろ一日目の終わりの時間が近づき始めていた。
一日目の反省会やら明日の準備やらの都合もあるため私もそろそろクラスに戻らねばならないと我に返る。
先輩に声をかけようと顔を上げると、意味ありげにこちらを見つめる先輩が視界に映った。
「………良かったら、記念に写真、撮らへん？」
スマホをこちらにチラつかせつつ、先輩がそう言って笑う。
まさか先輩からそうなお誘いを貰うなんて夢にも思っていなくてびっくりしてしまった。
でもまぁもちろん嫌なわけはないから二つ返事で了承して。
パシャリ、とはにかんだ2人の写真がカメラに収まった。
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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