王道その34 ページ35
「Aさん」
『トントン先輩…』
コネシマくんと別れ、少しぼんやりとした思考のまま待ち合わせ場所に行くと、執事服を着たトントン先輩が私のことを待っていた。
周りでは女子生徒たちが惚けたように先輩のことを見つめていて、その場には大きな人だかりができている。
私に気がついて柔らかい笑みを浮かべた彼に、周りから小さく黄色い悲鳴が上がった。
「嘘、ヤダ格好いい…！」
「トントン先輩ってあんな顔もするんだ…」
「いいなぁあの子…」
羨望と、少しの嫉妬が籠った視線。
それらを一身に受けるのは少し辛い。
私みたいなのが隣にいてすみません、と心の中で謝罪しつつ、私はトントン先輩の元へと向かった。
「ほな行きますか」
『はい。どこ行きます？』
事前に配られていたパンフレットを2人で覗き込む。
ここはゾムのとこ。ここはチーノのとこ。ここは……なんて丁寧に説明してもらいながらぶらぶらとあてもなく二人で歩いた。
トントン先輩曰く「Aさんにお礼するのが目的なんで、俺が行く場所決めるのは筋違いやと思うんですよ」との事だが、如何せん私は自他ともに認める優柔不断。
ひとつのことを決めるのは苦手だし、決めようとしても長い時間考えてしまう。そんなに迷惑はかけたくないので遠慮しようとすると、何故か生暖かい視線を向けられてしまった。
「遠慮せんでもええんやで。」
『いや、でも』
「どこ行きたいです？」
『う…』
トントン先輩は、頑なに私に決めさせたいらしい。
じゃあここで…と適当にアイス屋を選択すると、彼は嬉しそうに笑って頷いた。
最近あった楽しいことや、生徒会での問題事などたわいのない話をしながら廊下を歩く。
途中ひとらん先輩とすれ違って驚いたように2度見された。
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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