王道その28 ページ29
「…僕ですね、少し考え方を見直そうって思ったんですわ」
準備室に向かう道中。一瞬沈黙が流れて気まづい空気になった時不意に彼が言った。
先程までとは少し違う暗いトーンになったから、きっと私は口を挟んじゃいけない。
黙って彼の話に耳を傾けていれば、彼はさらに口を開いた。
「僕、元々あんまり女性が得意やなくて、中学まではあんまり話したりすることもなかったんです。自分で言うのもなんですけど今より全然地味で目立たんくて、お世辞にも格好いいなんて言えへん感じやったし。やけど高校に入ってイメチェンして、グルさん達に出会って今度こそ変わろうおもたんですけど、外見変わっただけでコロッと態度変えるんがホンマに気に食わんで。せやからもっと苦手になってしもうたんです。ここ最近は特に酷くて、視界に入れるんも嫌や、ってなってしもうて。どうにかせにゃならんとはわかっとるんですけど…」
『……』
「けど、Aさん見てて、こんな子もおるんやなって。いや、もしかしたら本当はほかにもおったけど、僕がちゃんと見とらんかっただけなんやないかって思って。そう思ったら、滅茶苦茶自分がちっちゃい人間みたいに見えてもうたんですわ。副会長名乗っとるはずなのに、ほんま情けないって。だから考え方変えてみて、女性やからってだけで決めつけんと、人柄を見てから判断せなあかんって思えたんです。……狡いですかね、こんなの」
はは、と彼は自嘲気味に笑う。
この様子からして、もしかしたら彼は中学時代、女子生徒から酷い言葉をかけられていたんじゃないか、と推測した。
ただでさえそれで苦手だったのに、外見が変わった途端態度が豹変する周りの生徒たち。
それは嫌になるよなぁ、と納得した。
『狡くなんてないですよ。人はみんな間違えながら成長するものだって先生は言うじゃないですか。私だってたくさん間違えますし、失敗だってします。大事なのは、失敗を経験したあとなんです。その失敗をどう生かすのか。これからどうしていくのか。…トントン先輩は変わろうって思えたんでしょ？それならいいじゃないですか。これから変わっていけばいいんですよ。そうしたらいつか自分のことも許せるようになりますし。…ね？』
そこまで言って思い出す。そうだ、この人生徒会だし上級生だ！
慌てて生意気なこと言ってすみません、と補足しておく。彼はやっぱり優しい笑顔を浮かべるだけだった。
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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