王道その3 ページ3
『…教科書、ない…』
1時間目の授業が始まり、さぁやるぞ！と意気込んだところで私は重要なことを思い出す。
…私、教科書持ってないじゃん。
あわあわと先生に視線でヘルプを送ってみるも、先生は愚か他の生徒すらも全く気づく様子はなく板書し始める。
私に残された最後の手段としては、隣の席の彼に頼むしかないのだが、如何せんそれは気に入らない。
初対面であのような態度を取られたのだ。
私がわざわざ頭を下げてお願いするのはなんだか癪だった。
…仕方ない。
こうなったら、教科書なしでこの授業を乗りきってやる…！
kn「……ん、」
『…え？』
と、思っていたのだが。
なんの心境の変化か、コネシマくんが突如教科書をこちらにずい、と差し出してきた。
目を丸くして彼を見つめていると、不機嫌そうに細められる瞳。
先生が黒板に向かっていることを横目で確認した彼は、小さな声で私に言った。
kn「…なんやねん。教科書持ってないやろが、お前。貸したるっちゅうてんねん」
『…そしたらあなたの教科書がなくなるじゃないですか』
kn「俺は寝るからかまへんねん」
『ダメです』
どうやら見せてくれるつもりらしいが、そのせいでで彼が授業を寝て過ごしてしまうのなら意味は無い。
ムスッとしたままニコリともしない彼に態とらしい笑みを向けると、私は机と机の間に教科書をそっと置いた。
『一緒に見ましょう。…あ、見せてくれてありがとうございます。でもあなたがそれでサボる口実を作ってしまうのはなんだか腹立たしいので起きててください』
kn「…はァ？」
「どうしました？コネシマくん」
kn「いや、なんでも」
つい大きな声が出てしまったのだろう。
訝しげに振り返った先生に慌てて返した彼は、少し私を睨みながら頬杖をつく。
私は彼に小さく舌を出して挑発してやると、彼から視線を外して長々とした説明をしている先生の方を見つめた。
横から感じる彼の視線は華麗にスルー。
黒板に書かれた問題を写している時舌打ちが聞こえたのはきっと私の気の所為では無いのだろう。
kn「…変な女」
『聞こえてますよ』
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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