王道その12 ページ12
zm「Aー！一緒にお風呂入ろうや！」
『……………はい？』
夜ご飯を食べ終わって、テレビを見ながらごろごろしていたそんな時。
突然パタパタと隣に駆け寄ってきたゾムから核爆弾級の爆弾発言が落とされた。
ぴしりとその場で固まって一瞬息を止める私。
しかしそんなのお構い無しにゾムは私の腕を掴んで一目散に風呂場に駆け出した。
………いやいやいやいや！ちょっと待て！！
『ゾム！？ちょ、ちょっと、』
zm「んふふー、背中洗いっこしよな！」
『待て待て待て！！落ち着いて！！』
既に一緒に入る気満々のゾムをなんとか押しとどめ足を踏ん張る。
ゾムは少し不満そうに唇を尖らせながらも渋々止まってくれた。
zm「なんなん？一緒に入りたくないん？」
『いや当たり前でしょ！？私たち何歳だと思ってるの！？』
zm「高2やけど」
『だよね！？流石に一緒には入れないから！』
zm「なんで？昔は一緒に入っとったやん」
『それは昔の話！』
む、と残念そうに肩を落としているが流石にこれだけは許せない。
ほら入っておいでと背中を押せば、彼はとぼとぼと一人で脱衣所に入っていった。
…………いや、純粋にも程があるでしょ、ゾム…。
*
なんだか色んなことがあった転校初日。
私はベッドに寝転がりながらぼんやりと暗い天井を見つめていた。
生徒会の人気者と隣の席になって仲良くなって、生徒会の人と屋上で鉢合わせして喧嘩を売って、初対面の人からファーストキスを奪われて同い年の再従兄弟と再会する。
なんか、まるでこんな展開……
『……王道ルート、みたいな』
自惚れてるって言われてしまうかもしれないけれど、漫画の中でしか見た事のない展開に少しだけ赤面する。
明日が来るのが嫌だけど、少しだけ楽しみかもしれないな、なんて。
静かに過ごしたいって思ってたけど、なんだか無理そうな、そんな予感。
zm「…A、一緒に寝よ」
ゴソゴソと音がしたと思えばするりと蛇のようにベッドに潜り込んでくるゾム。
私がそちらを向くよりも早く腰に腕が回され、がっしりと抱きしめられる。
『…ゾム、暑い』
zm「知らん。嫌、離れんから」
『えー…』
zm「お風呂は我慢したんやからこれくらいええやんか」
『…ゾムは甘えたさんだなぁ』
お腹に回された手を優しく撫でて微笑する。
昔から全然変わってない。
可愛いなぁ、なんて思いながら私はゆっくりと瞳を閉じた。
zm「…馬鹿やなぁ、A」
後ろの男は小さく怪しく笑った。
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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