王道その11 ページ11
☆*。
『ただいまぁ』
あのシャオロンとか言うやつのせいで、なんだかとてつもなく不機嫌なまま家に帰ると、玄関に見慣れない靴が並べてあった。
それはどう見ても男物だと思われるもので、誰だろうかと私は首を傾げる。
『…お客さん…？』
不思議に思いながらも、私は靴を脱いでいそいそリビングに向かった。
少しだけ明かりの点るリビングからは楽しげな笑い声が聞こえてくる。
不意に笑い声が途絶えたかと思うと、リビングからばたばたと誰かが走ってくる音がした。
zm「―――Aっ！久しぶり！！」
ばっと勢いよくとび出てきた彼は、その勢いのまま私に飛びかかってくる。
思わず床に倒れ込んで呆然としていると、その襲撃者は屈託のない笑みを浮かべて私の体を抱きしめてきた。
『……ゾム？』
zm「せやで！！んふふ、Aやぁー！久々のAやぁー！！！」
『ちょ、擽ったいってば！』
ぐりぐりと私のお腹に頭を擦り付けてくる彼の名前はゾム。私の再従兄弟にあたる人だ。
小さい頃から甘えん坊で、片時も私の傍から離れることがなかったゾム。
久々にあった彼は、あの頃とは比べ物にならないくらい背が高くなって、男らしくなっていた。
zm「A！A！」
『もー、何？』
zm「ご飯にする？お風呂にする？それとも…」
『じゃあご飯で』
zm「ちぇ、」
ケラケラと軽口を叩きながら軽々と私を抱き上げたゾムは、驚異的なスピードで廊下を駆け始める。
ギョッとして目を見開くと、私は思わず彼の首に腕を回した。
『ちょちょちょ！？速い速い速い！速いってばー！！？』
zm「ひははははは！！！」
「相変わらずゾムくんとAは仲がいいわねぇ」
「そうですねぇ。うちの子がAちゃんにベッタリですから」
優しい目で私たちを見つめる親たちと、嬉しそうに笑うゾム。
先程までのもやもやがまるで嘘のように、私は晴れやかな笑顔をうかべたのであった。
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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