王道その2 ページ2
「じゃあ、Aさんはコネシマくんの隣に座ってね。」
私の紹介を一通り終えると、先生は私に微笑みかけて1つの空席を指さした。
その隣に座っていたのは、先程つまらなそうな表情を浮かべていた彼で、思わず内心顔をしかめる。
何人かの女子生徒が羨ましそうに私を見ていた気がするが、気にせずその指定された席に着く。こういう無愛想な人と接するのはあんまり得意ではないけれど、一応コネシマくん…と呼ばれた彼に話しかけてみた。
もしかすると別に怖い人じゃなくて、案外優しい人なのかもしれないし。
『えーっと…コネシマくん、だっけ？これからよろしくね』
kn「…おう」
…前言撤回。全然優しい人じゃなかった。
私がわざわざ挨拶したにも関わらず、こちらをちらりとも見ずにぶっきらぼうにそう返す彼に、思わずぽかんとしてしまう。
あぁ、きっと私はこの人とは仲良くなれないな、と初対面ながらにそう思った。
……愛想の悪いヤツ。
*
「Aさんだっけ？いいなぁ！あのコネシマくんと隣の席だなんて！」
ホームルームが終わって1限目の準備をしていた時。
私の席に集まってきたたくさんの女子生徒たちは、口を揃えて私にそう言ってきた。
正直初対面であんなに冷たい返しをされてしまったので、なんで彼女達がこんなに羨ましがっているのかさっぱり分からない。
『…その、コネシマくんって人気者、なの？』
不思議に思ったので首をかしげながら彼女たちに問いかけると、彼女たちは大きく頷いて頬を赤く染めた。
「当たり前じゃない！だってあんなに格好いいんだもの！」
「運動神経いいし、格好いいし、顔もいい！」
「オマケに
「完璧よね！」
「クールな感じもまた素敵！」
『へ、へぇ…』
楽しげに語る彼女たちに適当に相槌を打ちつつ、私は曖昧な笑顔をうかべる。
素敵？…あの態度が？
格好いい？…あの顰めっ面が？
完璧？…あの男が？
『…私には、まだよくわかんないなぁ』
第一印象最悪の男を脳裏に思い浮かべ、私はぽつりと小さくつぶやく。
幸いにもその言葉は、彼女たちの声にかき消されて誰にも拾われることは無かった。
心の中でならどんなこと言ってもいいよね。
そういう思いから私は密かに断言する。
――――あいつが素敵だなんて、それは絶対にない！！！
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あまね(プロフ) - ヤバい！完結おめでとうございます (8月26日 21時) (
レス) @page47 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！！ (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 私悪役、、、、、、、、、、、、、、 (2022年6月23日 2時) (レス) id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
由依 - 由依って私と同じでびっくりしました！！名前はカタカナのユイに変えていたのできずきました。 (2022年6月23日 2時) (レス) @page18 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 麓珀のロクさん» ありがとうございます！だんだん学校生活が楽しくなっていく女の子って王道じゃん！って思いながら書いてました！楽しんでいただけたなら嬉しいです！ありがとうございました！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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