＊ ページ18
「―――A新兵。少しこっちに来い」
チーノ助教から呼び出しをくらったのは、奇跡的な再会をしたすぐあとの事だった。唯一の女だということで特別に一人部屋をいただき、少しくつろごうかなんて生意気にも思っていた時の突然の来訪。
困惑を隠しきれないまま彼の後ろを着いていくと、なんと連れてこられたのは彼の自室だった。
入れ、と促されて恐る恐る足を踏み入れる。
どうすればいいのだろうと視線をさまよわせていると、彼は後ろ手で扉の鍵を閉めたあとずかずかとこちらに近づいてきた。
「……」
『…え、…じょ、助教…？』
「Aやんな？そうよな？」
『…』
「なんでお前がこんなとこおるん」
がっと強く手首を掴まれて思わず顔を顰める。
真剣な表情で私を見つめる彼の眼光が強まった。
橙色の瞳の奥で、同様と困惑と僅かな悲哀が入り交じっているのがわかる。心臓を握りつぶされてしまいそうなくらい必死の形相をした彼と目が合った。
「冤罪か？冤罪でもかけられたんか？そうよな？…俺、お前が罪犯すなんて思えへんねん。冤罪なんやろ？それなら俺がどうにかしたるわ。腕のいい弁護士も知っとる。なんなら俺が上に直談判してくるわ。無理やって言われても知り合いのつてでどうにかしたる。…なぁ、……冤罪、やんな？」
『……それは、』
「お願いやから………冤罪やって、言って」
コツン。彼の額が私の額に重なる。
悔しそうに顔を歪める彼に申し訳なさを募らせつつ、私はそっと頭を振った。
『…ごめん』
「………」
『冤罪なんかじゃないよ。…私は、間違いなくこの手で………人を、殺した』
「……っ、」
また手首を掴む彼の手に力が篭もる。
今にも泣きそうな顔をする彼を見て、あぁやっぱり変わってないなとどこか達観したように思った。
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マーシャ(プロフ) - bhさん» ありがとうございます！あの話私もお気に入りだったので褒めていただけて嬉しいです！ (2020年8月17日 21時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
bh(プロフ) - 最新話のci助教の話信じられないくらい好きです。胸が締め付けられました。ありがとうございました。 (2020年8月17日 0時) (レス) id: 204dfe46bb (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - イリアさん» 返信遅くなってすみません！ありがとうございます！嬉しいです…！ (2020年8月6日 8時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
イリア - やべーめっちゃすごい(語彙力) (2020年8月3日 10時) (レス) id: f0aa5ac6be (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ(プロフ) - 闇ちょこさん» リクエスト了解です！ありがとうございます！そう言って貰えると本当に嬉しいです！更新頑張りますね！ありがとうございます！ (2020年5月21日 15時) (レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
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