初めましての恋心 ページ9
あれから、私がコネシマを見る目は明らかに変わったと思う。
いつもこっそり彼の姿を目で追って。笑いかけられればひっそり心の中で舞い上がって。…だけど絶対他の人にはバレないように細心の注意を払って。
仲のいいシャオロンにだって、このことだけは伝えなかった。
まぁあいつなら、これをネタにからかってくる可能性だって無くはない。というか絶対にからかってくる。そんなの絶対死んでもゴメンなので、私はこの気持ちを心の中にしまい込んでおくことにした。
告白？そんなの出来るわけない。
シャオロンたちのおかげでたくさんの友達ができたけど、私の根本は何一つ変わってなどいないんだから。
臆病で、人見知りで、誰よりも自分が一番大事。傷つくのを怖がって、自分からチャレンジすることなんて絶対しない。ましてや自分の気持ちを人前で言えるような強い心など持っていなかった。
「今度の体育祭は俺ら全員100m走走ろうや！そんで全員で1位とったろうや！」
「ええやんそれ！…いや待てダメやシッマ。思い出せ！Aは運動音痴や！100mなんて走れへんて！」
「はっ！！！確かに！！！」
『失礼な！！…私は障害物競走で』
「アーッハッハッハ！！！」
だからきっと他から見たらいつもと変わりない光景に見えるだろう。まるで同性のように遊んで騒ぐ、普段と同じ、仲のいい“友達”の3人組。
だけど本当は私だけ違くて、私だけ1人に特別な思いを寄せていて、私だけ恋してる。
…………こんなの、酷いことかな？
「……Aどしたん？いきなり黙って」
『へ？…あー、なんでもないよシャオロン。ちょっと考え事』
「ふーん…………まさか中間テストのことか！！？え！？お前頭ええん！！？はぁー！？抜けがけやん！！」
『そんなこと一言も言ってないでしょ！？』
心配そうにこちらを覗き込みつつも、それを笑いに変えるシャオロン。
彼はこんなに優しい人なのに、私の勝手な気持ちで、関係ない彼まで巻き込んでこの関係を崩すのが本当に申し訳なく思ってしまって、少しだけあいまいに微笑んだ。
やっぱり、この気持ちには蓋をしよう。
そう、思いながら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マーシャ(プロフ) - ルウさん» わー！ありがとうございます！今ミスしたところの調整中ですので少し更新遅れるかもしれませんが…。いつもありがとうございます！ (2020年4月12日 10時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
ルウ - し、新作！！早めに気づけなくてごめんなさい！！更新楽しみにしてます！！ (2020年4月11日 23時) (レス) id: 006c5aabd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
