優しい煽り文句 ページ18
『えっ、なん、で…』
シャオロンの言葉に、一瞬私の脳内が真っ白になった。
…コネシマのこと好きって、バレてる。なんで、どうして。シャオロンはいつ私の想いに気がついたの？
ぐるぐるぐるぐる考えて、でも何も言葉が出てこない。
戸惑ったように彼を見つめていれば、シャオロンは何処か苦しげにくしゃりと顔を歪めた。
「当たり前やろ。お前シッマの事見すぎやねん。流石の俺でも気づくで？」
『……そんなに見てた？』
「そりゃあもう熱烈に」
彼があまりにも呆れたようにそう言うから、なんだか無性に恥ずかしくなる。赤くなる頬を隠そうとしたかったけど、シャオロンに無理やり顔を押えられているから叶わなかった。
無駄なあがきとわかっているけど、どんどんとシャオロンの胸板を叩く。
シャオロンはやっぱり可笑しそうに、でも少し心配そうに苦笑した。
「…で？ほんまはシッマと何があったん」
そして、話題修正。
当初の目的はちゃんと覚えていたようで、逃がさないとばかりにグッと顔を近づけられる。
近いわアホ、と小さな声で毒づいて、でももう言い逃れはできないなぁと悟った。
『ほんとに、大したことないんだよ。…シッマに恋愛相談されただけ』
「……は？」
『その、…好きな子、いるんだって』
「…そ、れは」
『ね？くだらないでしょ？』
もうちゃんと話すしかない。わかってる。
だから素直にホントのことを白状する。
それを聞いた途端シャオロンは驚いたように目を丸くして、そして何を言うよりも先に私の頭を抱えるように抱きしめた。
グッと頭の裏に回される逞しい両腕に、一瞬私の息が詰まる。
彼の腕は、私を逃がさないと言わんばかりの力が込められていた。
「辛いなら、辛いっていえばええのに。馬鹿やんお前」
乱暴で、別に好きでもなんでもない友達の腕の中。いつもなら軽口を叩いてひっぺがすのに、今日はそんなこと出来そうにもなくて。
あまりにも優しい彼の煽り文句に、私はとうとう声を上げて泣いてしまった。
*°
お久しぶりです。
半年以上更新してませんでした。
またゆっくりではありますが更新を再開したいと思いますので、どうぞ気長に読んでいただけると幸いです。
マーシャ
終わり
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マーシャ(プロフ) - ルウさん» わー！ありがとうございます！今ミスしたところの調整中ですので少し更新遅れるかもしれませんが…。いつもありがとうございます！ (2020年4月12日 10時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
ルウ - し、新作！！早めに気づけなくてごめんなさい！！更新楽しみにしてます！！ (2020年4月11日 23時) (レス) id: 006c5aabd3 (このIDを非表示/違反報告)
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