始まりは新しい教室で ページ1
真新しい制服。慣れないメイク。高さの合わない机と椅子。
初めて見るばかりの顔ぶれは、みんな期待と不安でいっぱいだった。
ずっと憧れていた夢の高校生活。
―――私の青春時代が、今始まる。
☪︎ *.
『加藤Aです。中学時代はテニス部でした。趣味は読書で、えっと、…人見知りなので仲良くして欲しいです。どうぞよろしくお願いします』
平凡な自己紹介。ぱちぱちと響く普通の拍手。
何とか噛まずに言いきった私は、小さく息を吐きながら席に着いた。
直ぐに私の背後に座っていた女の子が席を立って自己紹介している。その自己紹介を軽く聞き流しながら見渡す教室内は、どこか緊張した空気が流れていた。
今日は高校の入学式。まぁまぁ地元では有名な人気高であるこの高校では、それなりの規模の新入生が入学してきていた。
中学時代に顔見知りだった友人も何人かいるものの、ほとんどが今日初めましての人ばかりでどこか新鮮なものを感じる。
少しはねてしまっている髪の毛を人差し指にくるくると巻き付けながら、私は今日からクラスメイトとなる仲間の自己紹介に耳を傾けた。
「えーっと……加藤さんやっけ？隣よろしゅうな！」
全員の自己紹介も終わり、交流の意味も含めて先生が少し席を外した休み時間。私は突如隣の席の男の子に声をかけられた。
そちらに視線を向ければニコニコと屈託のない笑みを浮かべた優しそうな男の子と視線が交わる。
名前なんだったかな、なんて考えながら手を差し出せば、彼も嬉しそうに手を握ってくれた。
『うん。よろしくね。えっと…………確か……』
「佐藤翔太」
『そうだそうだ。佐藤くん』
「んー、でも佐藤ってなんか平凡やん？シャオロンって呼んでや！中学ん時の渾名！」
『シャオロン、君？』
「そーそー！」
ブンブンと少しばかり強く腕を振られて思わずよろめく。ごめんごめんなんて微塵も反省していなさそうな謝罪をしながら彼はずっと手を離した。
「人見知りなんやって？俺と一緒やん！」
『嘘だー。普通人見知りの人は初対面の人にタメ口で話しかけてこないよ』
「それもそうやな！」
私の自己紹介を覚えていたことに少し驚きながらも笑いかければ、彼はケラケラと声を上げて笑う。
今まで私が仲良くなったことがないタイプの彼に、少しだけ戸惑った。
シャオロンくんは気さくな人で、色々な話をしてくれる。中学時代の話だって沢山話をしてくれた。
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マーシャ(プロフ) - ルウさん» わー！ありがとうございます！今ミスしたところの調整中ですので少し更新遅れるかもしれませんが…。いつもありがとうございます！ (2020年4月12日 10時) (
レス) id: cf5983d7fe (このIDを非表示/違反報告)
ルウ - し、新作！！早めに気づけなくてごめんなさい！！更新楽しみにしてます！！ (2020年4月11日 23時) (レス) id: 006c5aabd3 (このIDを非表示/違反報告)
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