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82話 ページ40

「どこから説明したらいいかわかんないんだけど・・・」


昌磨の兄(俺が勝手に思ってるだけかもしれない)としては、知っておきたかった


周りに隠してるなら昌磨が一人で隠すよりは上手く助け舟を出せるかもしれない、なんて理由もつけて


「最初から!どんなに長くても聞くよ」


困り顔の昌磨がぽつりぽつりと話し出す


「えっと、じゃあ・・・今住んでるのはAっていう人とその弟5人、もう一人いたんだけど進学で引っ越した」


大家族だな、ってことは


「じゃあそのAっていう人と弟?と買い物に行ってるのを見たってことか・・・」


「たぶん・・・」


昌磨は曖昧に頷く


「なんでそこに住んでんの?」


「リンクに近いから・・・?」


即答・・・笑


「Aさんもまだ若いんだろ?」


「うん、一個下」


えっ!


「歳下!?親は何してんの!?」


思わず聞くと、言いにくそうにする昌磨


「・・・えっと、あー・・・死んだって・・・最初は俺が叔父さんに飲まされて飲み屋街に置いてかれたとこをAが拾ってくれて、それで家に泊めてくれて・・・弟達が懐いてくれて、好意に甘えてしょっちゅう泊まってご飯食べさせてくれてお弁当も作ってくれて・・・まぁ、そんな感じ」


・・・昌磨がこんなに人と関わってるなんて知らなかった


少し寂しいような、嬉しいような


「・・・ねぇ、俺も会ってみたい」


「えぇ!?」


「いいじゃん、泊まらせてよ!俺ソファでもなんなら床でも寝れるから」


世界王者様にそんなことはしないけど・・・とつぶやく昌磨


じ、っと見つめると


「いや、無理だよ!」


ちぇっ・・・


「じゃあ確認してみてよ、Aちゃんに」


「多分今仕事中だよ・・・?」


こんな時間に?


「じゃあ明日でもいいからさ」


「・・・わかった」


渋々頷く昌磨の頭を撫でると、不貞腐れた顔でこっちを見てくる


これだから俺の弟は可愛いんだよな

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作者名:カイリ | 作成日時:2019年9月14日 19時

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