61話 ページ17
二時間ほど勉強をしていると、チャイムが鳴った
インターホンをみると、そこには・・・
『あ、昌磨!待って、今開けるから・・・』
私が行くよりも先に季樹がとてとてと玄関へ走る
すっかり昌磨に懐いた季樹は、おにーたんいつくるかなー?あしたかなー?としょっちゅう兄弟みんなに聞いて回っている
ガチャッ_
季樹を抱き上げながらドアを開ける
『おかえり、昌磨』
「・・・ただいま」
手にいくつもの紙袋を持った昌磨を迎え入れる
『お疲れ様、帰ってきてからゆっくりできた?』
リビングへの道すがら話しかける
「まぁ、ぼちぼちかな・・・帰国してからすぐいろんな取材があったし、練習は毎日行ってるし」
どっかのニュースの取材であくびしてたもんね・・・
『眠そうな昌磨、ばっちり見てたよ』
そう言うと、まぁ、あれはしょうがなかったと思う、と本人も苦笑する
「これ、お土産」
『こんなに沢山買ってきてくれたの!?』
持っていた紙袋全てがうち用のお土産だったみたい
「何がいいかわかんなかったし、少なかったら喧嘩するでしょ・・・特に夏樹と秋樹が」
確かに・・・ありがとね!と、中身を確認して要冷蔵っぽいものは冷蔵庫にしまう
「勉強は?はかどってる?」
机に置いてある参考書を眺めながら昌磨に聞かれる
『全然!正直私、高校辞める前からふつーに頭悪かったし!ブランクありすぎてすぐ疲れちゃう』
うちの家族は頭より運動神経派なのだ
『昌磨は?高校時代勉強できたの?』
「いや、すごい成績悪かった・・・勉強してたらもっとましな頭になってたでしょ」
最高評価とか体育でしかついたことないと言う昌磨に私も、と返す
「頭の良さとか全部弟に残してきちゃった、俺って弟想いだから」
冗談まじりに言うが、昌磨の弟想いな所は割と結構見え隠れしてると思う
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作者名:カイリ | 作成日時:2019年9月14日 19時