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神谷兄貴side
次の日
オカンはその場で泣き崩れ、オヤジはオカンの背中をさすりながら泣いていた。
俺はただただそれを見る事しか出来なかった。
相変わらずAは眠っている。
なぁ、A。
はやく起きろよ。
─────────
杉田「痛ってぇ……。」
さて、この病院には頭痛によってうなだれている男性がいます。
その男は……杉田智和。
昨日からずっと痛い。
杉田『………そういえば。』
この病院で神家さん入院してるって中村が言ってたような。
と、ぼんやり考えていると。
水樹「え。」
杉田「ん？」
＊
水樹「入れないのは分かってるけど、心配で来ちゃうのよ。」
診察が終わり、薬ももらい現在。
周りは70代程のおじさんおばさんがほとんどだ。
静かで落ち着いた空間で水樹がポツリと言う。
静か……だったと言うべきだろうか。
突然、人の叫び声…うなだれ声と言うか。
そんな声が聞こえてきた。
「お願い会わせて。」と、聞こえる。
看「神谷さんは、面会出来ません。」
……神谷？
杉田と水樹は顔を見合わせる。
近づいてみると、土下座している70代位のおじさんおばさんと、下を俯いて黙っている40代後半程の男がいた。
見た目は清潔感は感じられず、顔にはガーゼを貼っているだけで他はなんともなってない。
水樹は近くに居た看護師にこう聞いた。
水樹「今神谷さんって…この方は誰ですか？」
看護師は
看「神谷さんが巻き込まれた車の運転手の御両親だと…」
看護師も混乱しているのが口調で分かった。
杉田「え、ちょ。」
それを聞いた水樹はおじさんおばさんの群れの中をズカズカと進んで行った。
かと思えば2人の前に立ちはだかった。
そして一言。
水樹「今更……謝って済むと思ってんの?!」
2人は顔を上げた。
ひどく驚いているようだった。
水樹「Aちゃんは…神谷Aはアンタのガキのせいで死ぬかもしれないのよ?後遺症が残るかもしれないのよ？目を覚まさないの！それを会って謝りたいって?!ふざけんな!!アンタもよくノコノコ会いに来れるわね?!」
杉田「おい、もう…！」
止めようとした時。
奥からまた60代位女性の人が出てきた。
その女性は、40代程の男の前に立ち思いっきりビンタした。
その時の音は60代とは思えない程の力と音だった。
母「アンタ、自分が何してるか分かってるの?!」
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作者名：糸丸子 | 作成日時：2021年8月19日 9時
