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(時間的には36話ぐらいの話です。)
神家兄貴side
兄貴「……は？」
水樹「だから、Aちゃんが…。」
Aが事故に巻き込まれた…？
水樹「何とか一命は取り留めたけど、意識が戻らないって…。」
兄貴「……分かった。明日病院いく。オヤジとオカンにも知らせとく。」
水樹「え、それ大丈夫なの？あんたはーちゃん居るし…奥さんにも言わずに！」
その時、ヒョイっとスマホを取られた。
妻である。
スピーカーにして電話してたからか、内容が全て聞こえてたらしい。
妻「奈々さん、ご無沙汰してます。」
水樹「あっ。」
妻と水樹は一応何度も会ったことがある仲である。
名前を言わなくても誰か分かったのだろう。
妻「明日、病院に向かわせます。」
兄貴「え。」
水樹「えっ…本当に大丈夫ですか？」
妻「大丈夫です。いざとなったら母親に預ければ大丈夫だし、それもだめなら仕事大丈夫も休めばいいし。」
水樹「でも…」
妻「そんな事よりAさんの方が心配です。私達の方は何とかなりますから。」
ほら、行ってきなさいよ？
と、妻はスマホを返した。
兄貴「………じゃあ。明日。」
水樹「…飛行機で行くの？」
ここは愛媛。
兄貴「松山空港から行く。でも到着は夜かな。」
水樹「……じゃあ迎えに来てあげる。チケット取れたら連絡ちょうだい。」
兄貴「あぁ…サンキュー。」
電話を切ると、俺は両親に説明した後、モロモロの準備をした。
その間妻は飛行機のチケットの事をやってくれてて、気付けば明日の夜19時に到着すると水樹に伝えていた。
兄貴「ありがとな、本当。」
妻「ううん。ちゃんと向き合ってきなよ。」
辛いかもだけど、と肩をポンと叩いた。
兄貴「……じゃあ、寝るか。」
妻「そうね、あなた飛行機の中で寝れないタイプだしね。しっかり寝ないと。」
兄貴「え、知ってたの？」
妻「うん。」
妻はソファーですやすやと寝ている我が娘を抱きかかえて言った。
兄貴「なんか…Aと地味に似てんだよな…。寝顔。」
妻「ん…確かに？なんか……ね？」
なんでだよ…。
本当…。
妻は笑いながら寝室に向かう。
妻「いいじゃん、Aさん美人だし。」
兄貴「いや、お前の方が美人だし。」
妻「え、惚れる。」
兄貴「だろ？」
妻が娘を布団に寝かせ、俺が毛布を掛ける。
妻「んじゃ、寝るぞーい。」
兄貴「ういー。」
……Aが心配でなかなか眠れなかったのはまた別の話。
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作者名：糸丸子 | 作成日時：2021年8月19日 9時
