３ ページ34
.
「ん〜っ美味しい！ほら紅郎、あーん」
この美味しさを分け合おうと、スプーンで一番美味しそうなところをすくって紅郎の近くへ持っていく。
すると何の躊躇もなく紅郎はそれに食いついた。
「…甘ぇな。美味いけどよ」
「でしょ！自分の金で食べる価値あったな〜」
もぐもぐと幸せそうにしていると、紅郎が少しだけ微笑んでるのが目に付いた。
「なに？クリームついてる？」
「いや。幸せそうだと思ってよ」
「幸せだよ、美味しいものはいつでも味方だもん」
「はは、なんだよそりゃ」
私の言ったことにいちいち笑ってくれる優しい紅郎。
前はこんな感じじゃなかったのになあ。
まぁ友達が優しくなってくれてとっても嬉しいけども。
未だに頬杖をつき、私と南雲くんを微笑ましく交互に見つめる紅郎にだんだんお母さんみを感じてきた。
すると、今の今まで黙ってパフェを食べていた南雲くんがクリームをたくさんつけた口を開く。
「…なんか、カップルみたいッスね」
「「は？」」
「あっ、いや！だってあーんとか躊躇なくしてたしっ、なんだかんだ仲良いじゃないッスか‼」
なぜか慌てて顔の前で両手をひらひらさせる南雲くんの言葉に、私たちはたちまち真っ赤になる。
「ほ、本当だよね！鉄みたいな子の前であーんなんてしないでよ、教育に悪い！」
「なっ…お前がしてきたんだろうよ、あと教育に悪いってなんだ」
「だから！純粋な子の前ではイチャついたら駄目………って、イチャつく…？」
なに言ってんだ私は、イチャついてなんてなかったくせに。周りからそう見えたのは仕方ないけど。
この一言でさらに気まずくなってしまう空気。
おどおどしてる鉄を除き、私たち2人は目をそらしつつも顔は赤いままだ。
「…お…俺はちょっとお手洗い行ってくるからよ、気にせず食べとけ」
なんだかもどかしい雰囲気の中、すくっと立ち上がったのは紅郎。
トイレ行くのはいいけどアンタ…
お手洗いなんて女子の私でも言わないよ。
女子力の高さは昔から紅郎が勝っている。
「…すんません姉御、俺なんかまずいこと言ったッスかね…？」
「いや、鉄はなにも悪くないよ、たくさん食べてたくさん笑ってればそれでいい。幸せならそれでいい」
「ポエマーみたいになってるッスけど…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 507人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユイ(プロフ) - 凛月と夏目の絡みありがとうございました！ これからも頑張ってください 応援してます！ (2017年8月17日 7時) (
レス) id: 1d44fba4d0 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - ゆうくんをもっとください…ツンデレ (2017年8月17日 3時) (レス) id: 3046be83b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ@リズ(プロフ) - 葉瑠氷さん» ご満足いただけたようで嬉しいです！こちらこそリクエストありがとうございました！これからも是非よろしくお願いいたします…！ (2017年8月17日 1時) (レス) id: 0accffb6db (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ@リズ(プロフ) - 天音さん» こちらこそリクエストありがとうございました！書くのが楽しかったです(笑)最高なんてお言葉感謝しかないです！ありがとうございます！ (2017年8月17日 1時) (レス) id: 0accffb6db (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ@リズ(プロフ) - うさみんとさん» いえ、こちらこそリクエストありがとうございました！応援感謝いたします！！頑張ります…！！！ (2017年8月17日 1時) (レス) id: 0accffb6db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきみ@リズ
| 作成日時：2017年8月10日 23時
