戦いの前触れ【攻】【白茨雪】 ページ43
「はぁ、はぁ……!」
息切れしながら走るガーディアの女の人。
それを横目に、本当に逃がして良かったのか、お互い敵どうしの組織のその目標を考えながら眺めていた。
だが、とても辛そうで、今にも死にそうな身体で走っていく姿は、その女の人の麗しい容姿とは反対に、自分にはこんな世界に囚われ、それを守り抜こうとする意思も、今の姿を知らない女の人も、酷く醜く感じた。
────状況としては、なんやかんやで絢先輩が一人戦闘に突入し、自分達が司令部隊の護衛を任せられ、今に至るのだが。
確か、さっき辛そうに走っていく人と他のガーディアの人に絢先輩がやられたと聞き、慌てて月詠先輩に問う。
「月詠先輩、絢先輩は…大丈夫なんですか?」
「雪は本当に絢が大事なんだね。大丈夫、絢はそう簡単には死なない。というか、第一俺の手駒達は皆簡単死なない……いや、死なせないよ!」
こちらを見つめ、ふふふと笑みを零しながら話す。
……能天気と言えば良いのか、楽観的と捉えれば良いのか。
だが不安が和らいだのは同じ、
「そうですよね……心配し過ぎました。皆まだ死ななくて良かったです」
「……まだ油断はしないでね?どっかに狙ってくる可能性だってある。皆も」
その瞬間、
ガーディアの方から大きな音がした。
「……重々承知です」
四温先輩が言葉を呆れたような感じで冷たく放つ。
こればっかりはもう月詠先輩に何かがあるのではとしか思わない。
「月詠先輩……貴方言霊でも宿ってるんですか」
「うん、そうかもね!」
柔らかい表情とは裏腹に、冷や汗の様な物が頬をつたっていたものを自分は見逃さなかった。
場所はガーディアの本部の周辺からだからだろうか、一網打尽にされるのを恐れているのか?
そんな事より、
あぁ、これからまた戦が始まる……
まだ体力が残っている身体でそう思うと、少し楽しみでもあり、嫌にも感じた。
不安定な感情の中、どう切り抜いていこうか────。
それは先輩方に委ねるとしよう。
あの人誰だっけ…【守】【白神琥珀】→←敵陣【攻】【甘城 アリス】
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星蝶 - 馬碌さん» もしよろしければ更新した内容に繋げて頂けますか?あ、生け捕りにして貰って構わない…というか生け捕りにしちゃってくれればそれはそれで?いいと思うので寧ろそうして頂ければ←←← 厚かましくて申し訳ありません…良ければよろしくお願いします…! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新完了しました!続編も作りました! (2020年1月4日 12時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - あ…更新します! (2020年1月4日 11時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - しじみごはんさん» すみません!今諸事情で3DSで参加していて…他の皆様よろしければお願い致します…(私に対して仰ってた訳じゃなければすみません……!) (2020年1月4日 11時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
*ろろ*ー狼炉ー(プロフ) - 更新しました!!! (2020年1月4日 11時) (レス) id: 302115e0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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