敵陣【攻】【甘城 アリス】 ページ42
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今頃、レボディショナルのシェルターはどうなっているだろうか。
こうしてガーディアの本拠地の近くに来てみた訳だが、流石に斥候部隊が2人と第一部隊が1人だけでは大した戦果は期待できない。
まあ、隊長もそれを承知で2人を残したのだろうが。
今回は、敵地に乗り込むよりも敵地の近くで様子を見ながら攻撃した方が得策だと判断し、私は現在ガーディアのシェルターから少し離れた場所でスナイパーライフルを構えている。
この体制なら、シェルターから出陣する敵を狙い撃ちにできる。
これ以上、敵をレボディショナルに送ってしまう事もないだろう。
既に何人かは出撃したようだが、その兵たちも帰還する所を狙えばいい。
本音を言えば今すぐ敵地に乗り込みたい。
あの子はきっと、まだ出陣していないだろうから。
「エ レン……お願いだから、そのまま出て来ないでね」
出来る限り、エ レンに戦いの様子など見せたくはないから。
そう、切なる祈りを小さな声で口にした。
それから、軽く息を整えてライフルのスコープを覗き込むと、そこに一人の少女が映った。
「あれは……ガーディアの副隊長!?」
思わぬ人物の登場に、私は思わず声を上げた。
しかし、よく見てみるとどうやら既に手負いらしい。覚束ない足取りでしばらく歩いたと思ったら、シェルターの入り口の前で倒れてしまった。
何という幸運だろうか。今なら彼女を生け捕りにできる。
ただ命を奪うよりも、捕虜にした方が断然こちらの得になるだろう。
幸い、今は他に敵の気配もない。
もしもの時の為にナイフを携帯し、私は慎重に彼女の下まで向かった。
倒れている副隊長____夕凪蝶葉は苦しそうな表情を浮かべていた。
どうやら、相当に満身創痍なようだ。当分は目を覚まさないだろう。
生憎と拘束具を持ち合わせていなかった為、ローブの裾をナイフで切り裂いて簡易的なロープを作った。
解けないようにキツく結び、私だけで彼女を連れ帰るのは難しいだろうから、一旦先程まで隠れていた物陰まで運ぼうとした。
しかし、その時の私は完全に気を抜いていた。
今の状態で攻撃されたら反撃などできない……それを考えていなかったのだ。
戦いの前触れ【攻】【白茨雪】→←フラッシュバック【守】【夕凪蝶葉】
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星蝶 - 馬碌さん» もしよろしければ更新した内容に繋げて頂けますか?あ、生け捕りにして貰って構わない…というか生け捕りにしちゃってくれればそれはそれで?いいと思うので寧ろそうして頂ければ←←← 厚かましくて申し訳ありません…良ければよろしくお願いします…! (2020年1月4日 19時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - 更新完了しました!続編も作りました! (2020年1月4日 12時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - あ…更新します! (2020年1月4日 11時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶 - しじみごはんさん» すみません!今諸事情で3DSで参加していて…他の皆様よろしければお願い致します…(私に対して仰ってた訳じゃなければすみません……!) (2020年1月4日 11時) (レス) id: 1ba5df0915 (このIDを非表示/違反報告)
*ろろ*ー狼炉ー(プロフ) - 更新しました!!! (2020年1月4日 11時) (レス) id: 302115e0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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