Prisonerworld【小説】

ちょっと待ってよ…！【攻】【垣守絢】 ページ35

彼女を運びあげた瞬間私の髪が宙を舞った。
背後には…髪の長い……男の子かな…？が立っていて、赤いリボンを使って私の攻撃をかわしていく。

植物に触れた彼を見て、勘が良かったのかすぐに彼が誰だか分かった。

ふざけんな…！
大事な任務なのに！なんでよりによって第一部隊の隊長なの！？ちょっと待ってよ、なんでこんな時に限って彼奴なのよ！！

思い通りにならない事実への怒りと自分への自己嫌悪が私の心を染めていく。彼が何か言っているが関係無い。
生け捕りにしろって言われたんならやり通したい。それが私のモットーだから。

でも効かない。
何回も植物を飛ばしてるのに。彼のリボンよりも明らかに強度やパワーはあるはずなのに！

「…なんで、何で当たらないの！？」

絶望しかけながらも攻撃してた。
全部ムダになった。どうしよう？どうしよう…！？
考えろ、考えろ、考えろ！！！

自問自答していると首にリボンが巻きつく。

しまった…！距離感を意識してなかった、苦しい、この…ま…ま……じゃ………！

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