7話 ページ7
*
「白布」
「なんだよ」
パックのりんごジュースに刺したストローから口を離してこちらを向く白布。
帰り道。
暑そうに手で扇ぐ。
まだ明けない梅雨の蒸し暑さと、田んぼの土の臭いが心地いい。
「なんで送ってくれんの、疲れてるでしょ」
「危ねーだろ、こんなあぜ道お前一人じゃ」
そう言われると、土を踏む音が響くような気がするから、余計不気味さが増す。
街灯も少ない。
白布はそれに、と続ける。
「俺どうせ駅だし、ちょっと遠回りして駅に行ってんだよ」
ついでだついで、と言う。
私みたいな女子か男子かなんて分からないような人襲うやついないのに。
制服でも女装って言われたことあるくらいなのに。
なにが危ないだ。
「腕相撲私の方が強い自信あるから大丈夫です〜」
「バレー部舐めんな」
胸がざわついて気持ち悪い。
危なくなんかない。
バレー部だからなんだ。
私だって弓道部だ。
筋肉の量なら負けてる気はしない。
必死に頭で抵抗する。
ズーっとりんごジュースを吸う音が虫の声に混じって響く。
「……まあ、ありがと」
「あー……、荷物も持ってやろうか?」
「そのまま田んぼに転がり落ちろばーか」
白布は笑ってそんなに鈍くない、と言った。
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咲曲 - とてもドキドキと悶えながら読みました!とても面白かったです! (10月8日 0時) (レス) @page24 id: a4e2c99ea5 (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます!どんどん距離が近くなっていく二人を見るのが楽しかったです!好きな子が自分をきっかけに可愛くなるって絶対嬉しいですよね! (2021年10月16日 11時) (レス) @page28 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - 朔さん» コメントありがとうございます。伝えたいことをしっかり汲み取った感想、本当に嬉しいです。ご愛読ありがとうございました! (2020年1月13日 10時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - 完結おめでとうございます(≧∀≦)思わず笑顔になるような素敵な作品をありがとうございます! これからしらぶんと接していく内にどんどん可愛くなっていくんだろうな〜と空想してます(笑) 学校、お疲れ様です。体を大切に、無理はしないでくださいね(*^^*) (2020年1月13日 9時) (レス) id: 3b40186626 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 彩(プロフ) - りんねむさん» コメントありがとうございます。面白いと言って頂ける作品を作れて幸せです。ご愛読ありがとうございました! (2020年1月13日 9時) (レス) id: 8a1a36a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
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